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違い棚
「違い棚〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
違い棚の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
丸盆の上に大学病院から持って来た薬びんが乗せてあった。障子ぎわには小さな鏡台が、
違い棚《だな》には手文庫と硯箱《すずりばこ》が飾られたけれども、床の間には幅物《....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
に半七を案内した。中庭にむかった八畳の座敷で、先代の主人の好みであろう、床の間や
違い棚の造作もなかなか念入りに出来ていた。屋台骨のしっかりしている家らしいと、半....
「仇討禁止令」より 著者:菊池寛
度である。 「おう!」吉川が斬り込んだが、老人はさっと身を屈めて、低い鴨居のある
違い棚の方へ身を引いた。勢い込んで斬りつけた吉川の長刀が、その鴨居に斬り込んだの....
「眉かくしの霊」より 著者:泉鏡花
として、首筋を硬く振り向くと、座敷に、白鷺かと思う女の後ろ姿の頸脚がスッと白い。
違い棚の傍に、十畳のその辰巳に据えた、姿見に向かった、うしろ姿である。……湯気に....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
するのほかは無い。したがって、筆や硯にも碌なものはない。それでも型ばかりの硯箱を
違い棚に置いてある家はいいが、その都度に女中に頼んで硯箱を借りるような家もある。....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
民家の別宅を借りうけ、食事や洗濯の世話などしてくれる家族の隣りに住み、池を前に、
違い棚、床の間のついた部屋から、毎日宮司のつとめに通っているらしい。 「それにし....
「黴」より 著者:徳田秋声
いるはずの時計が見えなかった。笹村は何だかもの足りないような気持がした。押入れや
違い棚のあたりを捜してみたが、やはり見当らなかった。机の抽斗を開けてみると、そこ....
「不尽の高根」より 著者:小島烏水
の三大描線で、広々とした裾合谷の大合奏である。それらの山の裾へひろがるところの、
違い棚のように段を作っている水田からは、稲の青葉を振り分けて、田から田へと落ちる....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
光子は思わず身ぶるいしたものだ。座敷牢の内部にはさすがに立派な床の間もあったし、
違い棚や押入もあった。風守が育つにつれて用いたオモチャの数々がそっくりあったし、....
「心霊殺人事件」より 著者:坂口安吾
高利貸ですから差押えで仕方なしにガラクタがふえるんですね。家中どの部屋も床の間の
違い棚や飾り棚の中にガラクタだらけなんです ――いつなくなったか覚えていますか....
「鵞湖仙人」より 著者:国枝史郎
うだ。現在坐っている部屋の板敷が、延びたり縮んだりするのである。床の間も無ければ
違い棚も無い。一切装飾が無いのである。 気味が悪くて仕方が無かった。 「ううむ....
「銅銭会事変」より 著者:国枝史郎
やがてお色の番が来た。お色は奥の部屋へ行った。部屋の正面に床の間があった。脇床の
違い棚に積まれてあるのは、帙入の古書や巻軸であった。白熊の毛皮が敷いてあった。そ....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
体が弱い。鶴見はそう思ってあたりを見まわした。 室内は適度に保温されて、床脇の
違い棚の上に華奢な鶯の籠が載せてある。鶴見にはそれがこの室の表象ででもあるように....
「温泉雑記」より 著者:岡本綺堂
するのほかはない。したがって、筆や硯にも碌なものはない。それでも型ばかりの硯箱を
違い棚に置いてある家はいいが、その都度に女中に頼んで硯箱を借りるような家もある。....
「五重塔」より 著者:幸田露伴
んにせよ好い心持、十兵衛汝も過してくれ、我も充分今日こそ酔おう、と云いつつ立って
違い棚に載せて置いたる風呂敷包みとりおろし、結び目といて二束にせし書類いだし、十....