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「違和〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

違和の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
渋江抽斎」より 著者:森鴎外
となっていた。然るに前年の八月中、保が家に帰らぬを患えて絶食した頃から、やや心身違和の徴があった。保らはこれがために憂慮した。さて新年に入って見ると、五百の健康....
復讐」より 著者:豊島与志雄
うなってしまったのか。 腕がちくちく痛み、軽い頭痛がし、腰から足がだるく、身体違和の感じだった。口を利くのも懶い気で、しきりに私は彼女の顔を眺めた。彼女は私の....
怒りの虫」より 著者:豊島与志雄
飲みながら考え込んだ。 ≪木山は別なことに思いを走らせるのである。近頃彼は身体の違和を自覚しだしていた。殆んど毎夜のように寝汗をかいた。睡眠は浅く、熟睡の気持を....
秦の出発」より 著者:豊島与志雄
いて目を見張り口をあけて立っていた。 その腕に丹永はすがりついた。身体がひどく違和の感じだった。 楊さんに援けられてベッドに就いた。 楊さんは張浩の時の予....
漱石氏と私」より 著者:高浜虚子
介様のもの御入用の由故わずかばかり認め申候。近頃一向御目にかからず、健康も時々御違和の由承り居候えども、疾に御全快の事とのみ存居候いしに、いまだに御粥と玉子にて....
恐怖の季節」より 著者:三好十郎
異様に強直し、病的に西洋化した人柄を描いて、それに対して伸子の感じている嫌悪又は違和の実感を読者にまで移入しようと思ったためだろうかと言うことであった。第二に考....
肌の匂い」より 著者:三好十郎
ので無い半ばただ義務を果すだけだと言う程度の氣持を他にしては、おもにその感覺的な違和を埋めようとする動作に過ぎなかつたようである。ほとんどなんにも考えないで私は....
解説」より 著者:原田義人
デフォルメ)ということはあった。そして、こうしたゆがみに出会うと、読者ははじめは違和感や嫌悪感をひき起こすことはある。しかし、そうしたグロテスクや諷刺やヴィジョ....
年譜」より 著者:原田義人
。この父は、生来敏感でこまやかな気質のフランツの感嘆の的であったが、同時に嫌悪と違和感をも抱かずにはいられなかった。母ユーリエ・カフカ(旧姓レーヴィー)は、プラ....
墓が呼んでいる」より 著者:橘外男
なったと喜んだ甲斐もなく、暑くなりかけてきた二月後の六月半ば頃から、またからだの違和を感じて、父と母の厳命で、その年の夏から秋へかけては、到頭七里ヶ浜の湘南サナ....
澪標」より 著者:外村繁
家に対する私の既成概念とは、凡そ甚しい違いである。私は脳細胞を逆撫でされるような違和を感じながらも、大きい力に引き寄せられて行く自分を感じる。 しかし「悪人成....
私本太平記」より 著者:吉川英治
それだった。 谺のように諸国の乱は中央に敏感だった。 政局の危機とか、公武の違和でも生じると、かならず各地で北条残党の烽火が揚がる。 新政府が、その樹立い....
私本太平記」より 著者:吉川英治
ねて、 「さらさら、存じの外です。一つ御旗の下、まして今、外敵をひかえ、さような違和を内に持ってよいものではございませぬ」 と、お答えした。 「たぶん……」 ....
私本太平記」より 著者:吉川英治
清次のすがたをかりて地上の人みなの平和の願いを打ち囃すがごとくであった。なんらの違和もない不思議な楽のあらしとなって。 いつか外には外で小鳥のさえずりがしはじ....
黒田如水」より 著者:吉川英治
中の変心組から先に討て」 一面にはまたこういう空気も起った。当然、伊丹の一体は違和を生じ、急速な自壊作用をしはじめた。 恃むべからざるものを恃んで、毛利方に....