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「違約〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

違約の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
松が自分ぎめをしていたに過ぎないのである。この場合、彼は藻にむかって正面からその違約を責める権利はなかった。しかし彼は悲しかった。口惜しかった。腹立たしかった。....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
く寝てしまった。 あくる日、仕事場で勝次郎に逢うと、かれは喜平にむかって頻りに違約の云い訳をしていた。家へ帰って夕飯を食って、それから出直して来ようと思ってい....
永日小品」より 著者:夏目漱石
奴《やつ》がいるもんで、約定書《やくじょうがき》のうちに、もしはなはだしい日限の違約があるときは、八千円の損害賠償を出すと云う項目があるんですよ。ところが彼はそ....
硝子戸の中」より 著者:夏目漱石
連れて来て、例の話はこの次に延ばして貰いたいと云った。私には固《もと》より彼女の違約を責める気はなかった。二人を相手に世間話をして別れた。 彼女が最後に私の書....
虞美人草」より 著者:夏目漱石
のときまっている。しかし履行すべき条件を奪ったものは自分ではない。自分から進んで違約したのと、邪魔が降って来て、守る事が出来なかったのとは心持が違う。約束が剣呑....
幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
すから、其の時に若し秀子が少しも貴方に愛想を盡した様子がなければ、貴方は不徳なる違約者として充分に責めますよ」と云った、彼の声は絶望した余の耳へ警鐘の様に響いて....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
、彼は真剣にそう云うらしいので、孫十郎も面喰らった。勿論、その云うがままに百両の違約金を出しても、かの武士からは五十両の金をうけとっている。その上にかの仮面を百....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ないので、藤次郎も不思議に思った。病気その他の故障が起ったとしても、ふたり揃って違約するのはおかしい。二十一日は大師の縁日であるから、その日を間違える筈もない。....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
出にくいから、かならず悪く思ってくれるなと、彼はしきりに云い訳をして帰った。単に違約の云い訳のためならば、まさかそんな大袈裟な嘘はつくまい。これはきっとほんとう....
映画界手近の問題」より 著者:伊丹万作
するからできないのである。そして協約を破った会社は、その相手会社に対して十万円の違約金を支払う義務がある。松竹が発狂しないかぎり十万円出して私を雇う心配はないか....
姉川合戦」より 著者:菊池寛
に家督を譲った位の男|故、あまり利口でなく、旧弊で頑固であったに違いない。信長の違約を怒って、こんな表裏反覆の信長のことだから、越前よりの帰りがけには、きっと此....
縮図」より 著者:徳田秋声
いくらでもないわ。」 「…………。」 「千円が少し切れるぐらいだと思うわ。それに違約の期限が過ぎているから、親元身受けだったら、落籍祝いなんかしなくたっていいの....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
ヌブローに行ってみた。 十月の末ごろ、ジョルジュ・ジャンナンが訪れてきた。彼は違約のことなんか少しも恐縮せずに平気で弁解した。 「来ることができなかったんです....
ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
ィストフェレス 血という奴は兎に角特別な汁ですからね。 ファウスト 己が違約するだろうと云う御心配だけはいらぬ事だ。 平生力一ぱい遣って見ようと思ってい....
澪標」より 著者:外村繁
記憶が微かにある。ところが、たつがいきなり私の腋の下に手を差し入れる。私はたつの違約を責めようとするが、あまりにくすぐったく、物も言えない。体をよじって、私はや....