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「遜色〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

遜色の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
秋山図」より 著者:芥川竜之介
りえいきゅう》の山陰泛雪図《さんいんはんせつず》でさえ、秋山図の神趣に比べると、遜色《そんしょく》のあるのを免《まぬか》れません。ですから翁は蒐集家としても、こ....
オリンポスの果実」より 著者:田中英光
、日本のクルウは、身体の動きこそ、ちぢまれ、オォルは少しも、他のクルウに比べて、遜色《そんしょく》なかったという。しかし、ゴオルに入った途端《とたん》、ぼく達の....
社会時評」より 著者:戸坂潤
ど。之に比較して見るならば、まだ見ないのだが多分今度の杉村「博士」の論文は決して遜色あるものではなかろうと僣越ながら推測されるのである。 杉村氏は人の知るよう....
伝統と進取」より 著者:九鬼周造
は深く信じている。日本人がともすれば自惚れがちで世界のどこに比してもすべての点で遜色ないもののように考えるのは甚だ間違っていると私は思う。我々は色々の点で新規な....
万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
であるが、そのように杜鵑が啼いたのであろうという意である。この歌は皇子の歌よりも遜色があるので取立てて選抜しなかった。併し既に老境に入った額田王の歌として注意す....
街はふるさと」より 著者:坂口安吾
ミ子というパンパンで、美貌に於ても、独自の見解に於ても、各界の一流の女傑に比して遜色ないほど、一家をなしていらせられるです。あの子の十九という年齢について考える....
私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
んど中村屋のものだったので、あらためてとりつけの店の品と試食してみたところ、何ら遜色がない、しかし価は廉いというので、店へ注文されるようになった。しかしこうして....
怪しの者」より 著者:国枝史郎
左衛門様、倉田新十郎様、などという、清洲越十九人衆の、大金持の御用達衆と、なんの遜色もないのでありまして、その持田様のお娘御でございますことゆえ、召されておられ....
桜花を詠める句」より 著者:杉田久女
に這ひ習ふ子や花のかげ 同 多代女の之等の句は近代写生の中へ交ぜても、さして遜色ないと思う。此人は奥羽にすみ、元禄の秋色や千代に比して世間的名声はじみである....
名古屋スケッチ」より 著者:小酒井不木
之れは珍らしい現象ではないけれど、その夜店の種々雑多なことは、日本のどの都市にも遜色がないであらう。市役所前から名古屋駅頭まで、断続しつゝある偉観は、大した自慢....
明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
ぼせられたのは、かの粂八の名であった。粂八ならば男優と同じ舞台に立って、おそらく遜色はあるまいと言われた。殊に彼女が団十郎の門下であり、団十郎崇拝である事情から....
平ヶ岳登攀記」より 著者:高頭仁兵衛
る、この山上の大観は吾が北越の諸山に比較すると、飯豊山の雄渾豪壮に対しては少しく遜色があるが、有名な苗場山とは正に伯仲の間にあるものであろう、そうして苗場山を人....
西航日録」より 著者:井上円了
は、貧民の多き一事なり。ダブリン、ベルファストのごとき市街は、英国の市街に比して遜色なきも、村落に入りては大なる相違あるを見る。家みな茅屋にして、人みなはだしな....
エタ源流考」より 著者:喜田貞吉
詳らかにし、自覚反省して世の進歩に後れず、思想上・生活上、一般世人と伍してあえて遜色なきに至らば、自他の融和は自ずから成立し、多年その間に置かれた障壁は、自ずか....
俳句の作りよう」より 著者:高浜虚子
ればなりませんが、ただ残念なことに前句の作者はまだ叙法の上に原作者に対して遥かに遜色があることを自認せねばなりません。同じく遠方からということを極端に表すとしま....