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遠出
「遠出〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
遠出の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
、素早《すばや》い女中の働きで酒肴《しゅこう》がととのえられていた。葉子が倉地と
遠出らしい事をしたのはこれが始めてなので、旅先にいるような気分が妙に二人を親しみ....
「老妓抄」より 著者:岡本かの子
は柚木に 「今日は君の退屈の慰労会をするつもりで、これ等の芸妓たちにも、ちゃんと
遠出の費用を払ってあるのだ」と云った。「だから、君は旦那になったつもりで、遠慮な....
「夫婦善哉」より 著者:織田作之助
が汗をかいたりした。 深くなり、柳吉の通い方は散々|頻繁《ひんぱん》になった。
遠出もあったりして、やがて柳吉は金に困って来たと、蝶子にも分った。 父親が中風....
「幸運の黒子」より 著者:海野十三
さん――ではない新妻みどりの稼ぎ貯《た》めた財布のお陰で南伊豆《みなみいず》まで
遠出をし、温泉気分と夫婦生活とを満喫することができた。 だが、東京に帰ってくる....
「恐竜艇の冒険」より 著者:海野十三
いか」 「ふーん。やってみよう」というわけで、翌日はエンジンを全速にはたらかせて
遠出をした。 ぼくもサムも、昨日と今日の見張で、すっかり陽に焼けて、黒くなって....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
の村のうちに堀江や猫実《ねこざね》……」 「判りました。堀江、猫実……。江戸から
遠出の釣りや、汐干狩に行く人があります」 「そうだ、そうだ。つまり江戸川の末の方....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
男の身許を洗わせて見よう」 「ようござんす。浅草の方は引き受けました」 「毎日の
遠出でくたびれただろうが、これも御用で仕方がねえ。早く家へ帰って、かみさんを相手....
「雛妓」より 著者:岡本かの子
ご飯を食べに連れて行くといって、いつもの銀座か日本橋方面へは向わず、山の手からは
遠出のこの不忍の池へ来たのには理由があった。いまから十八年前、画学生の逸作と娘歌....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
月の十三日でしたが、この三月の十九日に子分の幸次郎と善八をつれて、初めて小金井へ
遠出を試みたと云う訳です。武家ならば陣笠でもかぶって、馬上の遠乗りというところで....
「猿飛佐助」より 著者:織田作之助
肝腎の首のない男には一向に出会わず、これではいっそ、ろくろ首の棲家を探して、首が
遠出をしている隙をねらって胴を小腋にかかえて逃げ出すのも一法だなどと、言っている....
「日本脱出記」より 著者:大杉栄
のだ。 僕はほとんどそうきめて、それからは毎日、半日か一日がかりのちょっとした
遠出を試みて、警戒のあるなしをさらにたしかめようとした。 警戒はたしかにない。....
「天守物語」より 著者:泉鏡花
じました。 夫人 この辺は雨だけかい。それは、ほんの吹降りの余波であろう。鷹狩が
遠出をした、姫路野の一里塚のあたりをお見な。暗夜のような黒い雲、眩いばかりの電光....
「第二菎蒻本」より 著者:泉鏡花
茶屋の広間にたった一つ膳を控えて、待っていて、そんな妓は居りません。……居ますが
遠出だなんぞと来てみたが可い。御存じの融通が利かないんだから、可、ついでにお銚子....
「アド・バルーン」より 著者:織田作之助
世の中に生きて行くおもしろさであるわけですが、ある日、文子が客といっしょに白浜へ
遠出をしてきて、そして泊ったのが何と私の勤めている宿屋だった。その客というのは東....
「雪の夜」より 著者:織田作之助
とその傘で出て来た。同勢五人、うち四人は女だが、一人は裾が短く、たぶん大阪からの
遠出で、客が連れて来たのであろう。客は河豚で温まり、てかてかした頬をして、丹前の....