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「遠回り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

遠回りの前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
は忘れてはならぬ右門流十八番中の十八番、一見|迂遠《うえん》に見えて迂遠でない、遠回りしていって、事の起こりの根から探り出す名人独自のからめ手詮議なのです。――....
ゼーロン」より 著者:牧野信一
》、猿山などという部落づたいに龍巻村へ向うのが順当なのであるが、私は既に塚田村で遠回りをしたばかりでなく驢馬事件のために思わぬ道草を喰ってしまった後であるから是....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
へ出た。そこから出る舟は神奈川の宮下というところへ着く。わざわざ野毛山の下の方を遠回りして帰って行かないでも済む。牡丹屋の亭主はその日の夕飯にと言って瑞見から注....
鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
藩邸に懸合って、遂に藩主までが首尾を損することになった。それで弁当だけは飯倉から遠回りをすることになっていた。しかし少しの賄賂を使うとなまぐさの入った弁当も無事....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
ール・サント・カトリーヌ街とブラン・マントー教会堂の方の道筋を取った。それは少し遠回りの道だったが、三カ月以前から、ヴィエイユ・デュ・タンプル街の混雑と泥濘《で....
私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
、初めて幾分の利益を得られるのである。それも創業時代には決して雇人などをおかず、遠回りは主人自ら配達し、近所は主婦も受持って届けるくらいの決心と実行がなければ、....
奉行と人相学」より 著者:菊池寛
るい気持はいたしませんでした。それ以来、半年ばかり永代の近くを通りますときは少し遠回りを致しましても、立ち寄ってそばを喰うことに致して居りました……」 越前も....
古寺巡礼」より 著者:和辻哲郎
はぜひ正面の南門へ回るべきであったが、みんなはもう幾分か疲れていたので、わざわざ遠回りをする勇気も出ず、ずるずると金堂の横へ出たのであった。しかし堂のうしろ側の....
私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
けてからは、人生のサイコロの目は、まずまず順調に出た。しかしそれまでの私はなんと遠回りをしたことだろう。そんなとき「寝れば一畳、起きれば半畳、五合とっても三合飯....
予謀殺人」より 著者:妹尾アキ夫
いで木からおりて、またしばらく耳をすました。そこにおいてあるランプの光をさけて、遠回りして並木道を横切り、ソープ村へむかう草原へでた。 あたりはまっ暗で、なに....