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遠寺
「遠寺〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
遠寺の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
けられたままでした。 と――夜陰にこもって、おりからちょうど、ごうんごうんと、
遠寺のときの鐘です。数えると、まさに九ツ! 同時に、右門の態度ががらり変わりまし....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
風流でござんす」 行く程にやがて南部の郷を出離れました。離れてしまえば身延|久
遠寺までは二里少し、馬返しまでは、その半分の一里少しでした。 だのに、今の先、....
「旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
ぞ》を埋めて、その側の表に面した方へ、新高野山大安楽寺《こうぼうさま》と身延山久
遠寺《にちれんさま》と、村雲別院《むらくもさま》と、円光大師寺《えんこうだいしさ....
「武蔵野」より 著者:山田美妙
らわれて来る。垣根に吹き込む山おろし、それも三郎たちの声に聞える。ボーン悩と鳴る
遠寺の鐘、それも無常の兆かと思われる。 人に見られて、物思いに沈んでいることを....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
《げ》しかねるような奇異な事件が起った。 十月十三日は、浅草どぶ店《だな》の長
遠寺《ちょうえんじ》の御影供日《おめいくび》なので、紀州侯徳川|茂承《もちつぐ》....
「死剣と生縄」より 著者:江見水蔭
かなんだが、何時の間に、何者が」と竜次郎憤激しても、如何しようも無いので有った。
遠寺の鐘さえ鳴り出した。一瞬き毎に四辺は暗く成るのであった。冷たい風は二人の肌に....
「空家」より 著者:宮崎湖処子
春の日が、その薄き光線を曳《ひ》きつつ西方の峰を越えしより早や一時間余も過ぎぬ、
遠寺に打ちたる入相《いりあい》の鐘の音《ね》も今は絶えて久しくなりぬ、夕《ゆうべ....
「平家蟹」より 著者:岡本綺堂
びしく、奥より玉虫は以前とかわりし白の着附、緋の袴、小袿にて、檀扇を持ちていず。
遠寺の鐘の声きこゆ。玉虫は鐘の音を指折りかぞえて独り語。) 玉虫 今鳴る鐘は酉の....
「黒田如水」より 著者:吉川英治
漆、襖には、狩野永徳そのほか当代の巨匠が筆をそろえて鵞の間、芙蓉の間、墨梅の間、
遠寺晩鐘の間などと呼ぶにふさわしい彩管を揮っている。 三重の楼、四重、五重、六....