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遠州灘
「遠州灘〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
遠州灘の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「幽霊の自筆」より 著者:田中貢太郎
を塗ったように、金襴手の上薬がぼろぼろこぼれるという二分もしない皿鉢さ」 船は
遠州灘の戸島の側を通っていた。船頭の酔がやや覚めかけて話がきれぎれになりかけた時....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
刻々と敵国空軍の行動を報告してきた。それが紀州沖から、志摩半島沖、更に東に進んで
遠州灘沖と、だんだん帝都に接近してきた。 それに反して、第四師団のある大阪方面....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
て、神崎の鼻へ出ると遽《にわか》に波が荒くなります。 紀州灘《きしゅうなだ》や
遠州灘で鳴らした波が、伊勢の海の平和を乱してやろうと、そこから押して来る、それを....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
通しであったのがこのお君でありました。 伊勢を出る時から頭が上らなかったのが、
遠州灘《えんしゅうなだ》へ来ると、もう死人のようになってしまいました。このまま船....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
いで差しだすのを、受けとってグイ飲みすると、 「……このあいだの時化《しけ》で、
遠州灘あたりでだいぶん揉まれたと見えて、よく、こなれている。……これは至極《しご....
「悪因縁の怨」より 著者:江見水蔭
娘の父親は、名代の海賊で御座いました」 「えッ、海賊?」 「竜神松五郎と云って、
遠州灘から相模灘、江戸の海へも乗り廻して、大きな仕事をしていましたよ」 「おう、....
「濁酒を恋う」より 著者:佐藤垢石
和らかにて宜敷聯句馬生に対酌――などとある。これは昔、酒樽を灘から船で積み出し、
遠州灘や相模灘で富士の姿をながめながら江戸へ着き、その積んで行った樽のうち二、三....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
ころが。 この一|行五十二艘の大船は、はじめはつつがない海路にみえたが、やがて
遠州灘にさしかかったとき、大きな暴風に出会ってしまった。「正統記」に九月十日頃と....