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遠望
「遠望〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
遠望の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「本州横断 癇癪徒歩旅行」より 著者:押川春浪
が一行の扮装《いでたち》は猿股一つの裸体《はだか》もあれば白洋服もあり、月の光に
遠望すれば巡査の一行かとも見えるので、彼等は皆|周章《あわ》てて盆踊りを止《や》....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
ラウザー、それに翼形カラーをつけ、一番最後に巨体を揺って現われたが、先刻礼拝堂で
遠望した時とは異なり、こう近接して眺めたところの感じは、むしろ懊悩的で、一見心の....
「単独行」より 著者:加藤文太郎
はとても雄大です。登り切って、見覚えのある広い道を急ぎます。もはや霧が巻いていて
遠望はききませんが道ばたの草、漆の木等は綺麗に紅葉しています。今度は獅子ヶ鼻岩の....
「火星探険」より 著者:海野十三
っていたのだ。 しかも四少年の自動車は、昨日の夕方ちょうどこのあたりで大峡谷が
遠望出来るようになったので大喜び、道もないこの原野へ自動車を乗入れたのだ。そして....
「油絵新技法」より 著者:小出楢重
ておく事が出来る。あるいはそれ以上、フランス画壇の最新の潮流までも共にその大略を
遠望する事さえ出来る。とすればこの不景気にして、しかも大作を収容すべき家なき芸術....
「紅毛傾城」より 著者:小栗虫太郎
は、新しい生活を踏み出すことになった。 しかし、ベーリングをはじめ、彼女さえも
遠望したという黄金郷の所在は、ついに、この島のどこにあるのか明らかではなかった。....
「潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
ろうとしていた。それが、西経一三三度二分、北緯五十二度六分、女王シャーロット島を
遠望する海上であった。 日が暮れると、同時に重い防水布を張り、電球は取り除かれ....
「人魚謎お岩殺し」より 著者:小栗虫太郎
て、嵐のあと、空気の冷たく身に堪えるころには、落日の縞を浴びて、毛多加良島からも
遠望された。そのなかで、絶えず囚人たちは、慌しい気圧の変化や、小さな波を呑み尽し....
「ドーヴィル物語」より 著者:岡本かの子
光線に掬い上げられ花園のスカートを着けた賭博場の白い建物や、大西洋の水面の切端の
遠望が、小田島の向うホテル五階の窓框の高さに止る。プラタナスの並樹で縁取った海岸....
「中支遊記」より 著者:上村松園
た屋根、それに陽が映えた色彩の美事さもあることであったが、五亭橋の上にあがっての
遠望は、まさに好個の山水図であった。 楊柳をあしらった農家が五、六軒も点在した....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
で酒や何かを売って居りますので、この前の時は私は其家へ泊ったのです。
ラサ府の
遠望
余談に渉りましたが再びそのナムを通って、ジャントェという村まで着きまし....
「西航日録」より 著者:井上円了
に達す。ときに午前六時ごろなり。この山は直立およそ九千フィートくらいにして、その
遠望最も佳なり。これに達する途上、夜まさに明けんとして、日いまだ昇らず。東天一帯....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
長ずれば別に船を設けて分家せしむ。夜間は岸辺に集まるも、昼間は集散常なし。これを
遠望するに、無数の木葉の江上にうかぶがごとし。その動くや男子櫓をこぎ、女子楫をと....
「古事記」より 著者:太安万侶
つて來たものを。 寢ようと知つたなら。 ハニフ坂においでになつて、難波の宮を
遠望なさいましたところ、火がまだ燃えておりました。そこでお歌いになつた御歌、 ....
「春雪の出羽路の三日」より 著者:喜田貞吉
駅から役の最後の遺蹟たる金沢柵址まで約一里。その間に一群の丘陵が邪魔になって、
遠望の利かぬのは駅名に対して残念だ。この丘陵は他の山からは全く離れて平地中に存在....