遠洋[語句情報] »
遠洋
「遠洋〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
遠洋の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
密生したバンクーバー島の低い山なみがそこにあった。物すごく底光りのするまっさおな
遠洋の色は、いつのまにか乱れた波の物狂わしく立ち騒ぐ沿海の青灰色に変わって、その....
「夜の隅田川」より 著者:幸田露伴
ら出掛けて来るということは誠に結構なことで、これが益々盛になれば自然日本の漁夫も
遠洋漁業などということになるので、詰り強い奴は
遠洋へ出掛けてゆく、弱い奴は地方近....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
第一章 一 円山応挙が長崎の港を描いたころの南蛮船、もしくはオランダ船なるものは、風の力によって
遠洋を渡って来る三本マストの帆船であったらしい。それは港の出入りに曳き船を使うよ....
「コーヒー哲学序説」より 著者:寺田寅彦
ィックなものに憧憬をもっていた子供心に、この南洋的西洋的な香気は未知の極楽郷から
遠洋を渡って来た一脈の薫風のように感ぜられたもののようである。その後まもなく郷里....
「怪塔王」より 著者:海野十三
探偵のことをそんなに気にされますか」 「うん、それはこういうわけだ。僕はこの前の
遠洋出動のとき、あの帆村荘六の『探偵実話』という本を読んだことがあるんだ。今もど....
「太平洋魔城」より 著者:海野十三
して附近の島々の住民たちからも敬われ、三浦須美吉は、郷里平磯にかえり、相かわらず
遠洋漁業にしたがっている。わが愛する石福海少年は、東京の太刀川の家にとどまって、....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
をかえる。 「うん、あの飛行島のことかい」 「そうだ、飛行島だ。こいつはこんどの
遠洋航海中随一の見物だぞ」 明日は見られるという飛行島! それは広い広い海の....
「露肆」より 著者:泉鏡花
ら、大出刃の尖で、繊維を掬って、一角のごとく、薄くねっとりと肉を剥がすのが、――
遠洋漁業会社と記した、まだ油の新しい、黄色い長提灯の影にひくひくと動く。 その....
「怪奇人造島」より 著者:寺島柾史
。 空しい救助 僕等を救助した飛行機は、祖国日本の大型海軍機だった。
遠洋における耐空試験をやっていて、奇妙な革船に乗って漂流する僕等を発見したわけだ....
「肝臓先生」より 著者:坂口安吾
四時間たって、だまって出かけるだけである。彼らが魚に同化する理がわかるであろう。
遠洋へ漁にでると、一ヶ月、マグロなら二ヶ月の余も、海の上で暮すのである。せいぜい....
「無人島に生きる十六人」より 著者:須川邦彦
員は、いずれも一つぶよりの海の勇士である。運転士、榊原作太郎。この人は、十何年も
遠洋漁業に力をつくしていて、船長をしたり、運転士をしたり、またある時は、水夫長も....
「アーニイ・パイルの前に立ちて」より 著者:小林一三
くつもいくつも丸い柱にからまれている。そこに兵学校卒業生の新しい軍人が、これから
遠洋航海に出発するというところから、余興が始まるのである。(余興は面白いけれど長....
「瘠我慢の説」より 著者:木村芥舟
蘭人の伝うるところにして、伝習およそ六七年、学生の伎倆も略熟したるに付き、幕議、
遠洋の渡航を試んとて軍艦咸臨丸を艤装し、摂津守を総督に任じて随行には勝麟太郎(今....
「火夫」より 著者:カフカフランツ
りでに浮かび上がっては、すぐまた波をかぶって、驚いている視線の前で沈んでしまう。
遠洋航海の汽船のボートは、懸命に漕いでいる水夫たちによって進められていくが、船客....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
の影響を一国独立の上に及ぼさんとするの勢いあり。政教子ここにおいて、奮然一起して
遠洋万里の途に上り、欧米政教の大勢を一見せんとするに至りしなり。 政教子曰く、....