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遠眼
「遠眼〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
遠眼の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浅草公園」より 著者:芥川竜之介
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目金《めがね》屋の店の飾り窓。近眼鏡《きんがんきょう》、
遠眼鏡《えんがんきょう》、双眼鏡《そうがんきょう》、廓大鏡《かくだいきょう》、顕....
「白蟻」より 著者:小栗虫太郎
でも、底の底に動いているのではないかという気がするのだった。なお、皮膚の色にも、
遠眼だと、瘢痕か結節としか見えない鉛色の斑点が、無数に浮上っているのだけれども、....
「奇妙な遠眼鏡」より 著者:香倶土三鳥
アは、 「何でも切れる刀が欲しい」 と云いました。又リイは、 「どこでも見える
遠眼鏡が欲しい」 と云いました。 これを聞いたお父さんとお母さんはお笑いにな....
「大切な雰囲気」より 著者:小出楢重
も親しむべき心を発見する。その他、悪資本家退治の熱弁のお隣で木星の観測だといって
遠眼鏡を覗いている。それらの浮世雑景の中をまたその点景の一つとなってうろついてい....
「霧陰伊香保湯煙」より 著者:三遊亭円朝
伊香保神社へ行くより外に道はございません。石坂を上って行くと二軒茶屋があります、
遠眼鏡が出て居りますが曇ってゝ些とも見えません、却って只見る方が見えるくらいで、....
「寺内の奇人団」より 著者:淡島寒月
吉野などいうやはり奇人がいました。 次に、久里浜で外国船が来たのを、十里離れて
遠眼鏡で見て、それを注進したという、あの名高い、下岡蓮杖さんが、やはり寺内で函館....
「宝島」より 著者:佐々木直次郎
あの男と一緒に航海した者だってもやらねえさ。さて、あれぁいかにも仲間のビルだぞ、
遠眼鏡を抱えてね、おやおや、ほんとにな。坊や、お前と己とはちょいと談話室へ戻って....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
話した。 「トンネルの曲線まで来たときに、そのはずれの方にあの男が立っている姿が
遠眼鏡をのぞくように見えたのですが、もう速力をとめる暇がありません。また、あの男....
「生死卍巴」より 著者:国枝史郎
ている、将監の娘の小枝でございますよ」 「そうか」と弦四郎は小枝を見詰めた。 「
遠眼でしかとは解らないが、いかさま美しい娘らしい。……が、何のために女ばかり揃っ....
「仇討姉妹笠」より 著者:国枝史郎
来ていた。 二人は素早く雨戸の陰へかくれ、顔だけ出して窺った。 夜眼ではあり
遠眼だったので、庭上の人影の何者であるかが、主税にもあやめにもわからなかったが、....
「鷲」より 著者:岡本綺堂
を待つと同様で、与力一騎に同心四人が附添い、それがひと組となって、鉄砲はもちろん
遠眼鏡をも用意し、昼も夜も油断なく警戒しているのである。その警戒の方法は時代によ....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
た。その翌年の秋、わたしは鳥越の中村座で、彼が「伊賀越」の助平と幸兵衛を観たが、
遠眼鏡の助平は図ぬけて好かった。幸兵衛はどうも宜しくなかった。二番目の「髪結新三....
「白峰の麓」より 著者:大下藤次郎
っているのは何するンか」という「これは腰掛だ」と三脚を示したら、「コシイ掛けて、
遠眼鏡でタケー岳見るのか」と肝心の山の見える見えないには答えもせでゾロゾロとあと....
「五重塔」より 著者:幸田露伴
わが眼の前のこの砂は一々五金の光をもてる比類まれなる砂なるぞと説き示せば、二人は
遠眼にそれを見ていよいよ焦躁り渡ろうとするを、長者は徐かに制しながら、洪水の時に....
「薬売り」より 著者:小川未明
りが持っていたのかもわかりませんでした。 袋を開けてみますと、その中には小さな
遠眼鏡が入っていました。これこそ、じつにどんな鳥の目よりも敏い不思議な眼鏡であっ....