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遠縁
「遠縁〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
遠縁の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
れもまだ結婚してから、ようやく二年ばかりしか経たない頃でございました。妻は校長の
遠縁のもので、幼い時に両親に別れてから私の所へ片づくまで、ずっと校長夫婦が娘のよ....
「冬」より 著者:芥川竜之介
じ》は去年の十一月に喉頭癌《こうとうがん》のために故人になっていた。それから僕の
遠縁の少年はこの正月に家出していた。それから――しかし従兄の収監《しゅうかん》は....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
《い》われに縁のある事なのでございます。
その頃、若殿様は大そう笙を御好みで、
遠縁の従兄《いとこ》に御当りなさる中御門《なかみかど》の少納言《しょうなごん》に....
「点鬼簿」より 著者:芥川竜之介
ん》を終った後にも時々泣かずにはいられなかった。すると「王子の叔母さん」と云う或
遠縁のお婆さんが一人「ほんとうに御感心でございますね」と言った。しかし僕は妙なこ....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
です。
元来あのお島婆さんと云うのは、世間じゃ母親のように思っていますが、実は
遠縁の叔母とかで、お敏の両親が生きていた内は、つき合いさえしなかったものだそうで....
「夜泣き鉄骨」より 著者:海野十三
た。 「こいつは、横瀬といいましてネ」若い男の代りに栗原が弁解した。「この栗原の
遠縁のものです」 「何故ひっぱってきたんだ」 「いまお願いして、倉庫で、私の下を....
「蠅」より 著者:海野十三
、お嫁さんなの……」 と会主は大きく肯いてみせた。 「いいのがあるワ。あたしの
遠縁の娘だけれど。丸ぽちゃで、色が白くって、そりゃ綺麗な子よ」 「へえ! それを....
「自叙伝」より 著者:大杉栄
はその金を時の内務大臣後藤新平君から貰って来たのだ。 その少し前に、伊藤がその
遠縁の頭山満翁のところへ金策に行ったことがあった。翁は今金がないからと言って杉山....
「雛妓」より 著者:岡本かの子
はならなかった。 それと逸作は、この数年来、わたくしを後援し出した伯母と称する
遠縁の婦人と共々、諸事を詰めて、わたくしの為めに外遊費を準備して呉れつつあった。....
「神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
腹に。……」 ふと耳許をほんのりと薄く染めた。 「お腹のうち、本所に居る東京の
遠縁のものにたよって出まして、のちに、浅草で、また芸者をしたんですけれど、なくな....
「縷紅新草」より 著者:泉鏡花
すったんですけれど、廃藩以来、ほどなく、お邸は退転、御両親も皆あの世。お部屋方の
遠縁へ引取られなさいましたのが、いま、お話のありました箔屋なのです。時節がら、箔....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
しの君が、四十物町の邸の門で、活溌に若い声で呼んだ。 呼ばれたのは、知事の君が
遠縁の法学生、この邸に奇寓する食客であるが、立寄れば大樹の蔭で、涼しい服装、身軽....
「扉の彼方へ」より 著者:岡本かの子
、みずみずした青年でした。官立大学で経済を学んでいたために、父亡き後の母は、この
遠縁に当って足繁く自家へ出入する青年を、何かと相談相手にして、いわば私との恋仲も....
「娘」より 著者:岡本かの子
のには、コーチの松浦を通して対している。 この洋行帰りの青年紳士は、室子の家の
遠縁に当り、嘗て彼女をスカールへ導き、彼女に水上選手権を得させ、スポーツの醍醐味....
「私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
とき、当時は家系の跡つぎは鎮台(兵役)をのがれる特典があったので、米二俵を持って
遠縁の井上家の死籍相続人になった。「初めに言葉あり」。しかし人の歴史は心に残る最....