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「遠謀〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

遠謀の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
春の盗賊」より 著者:太宰治
むのである。私は、あくまで、かれを客人のあつかいにしてやろうと思った。そんな深慮遠謀もあり、私は、ことさらに猫なで声でどろぼうを招じ入れ、そうして、かれがはいる....
運命」より 著者:幸田露伴
長計を貽さんとせり。されども人智は限有り、天意は測り難し、豈図らんや、太祖が熟慮遠謀して施為せるところの者は、即ち是れ孝陵の土|未だ乾かずして、北平の塵既に起り....
新ハムレット」より 著者:太宰治
をはじめているのかも知れぬ。ゆうべの朗読劇にしたって、あれにもポローニヤスの深慮遠謀があったのさ。そうでも無ければ、あの人は気が狂ったのだ。何か、抜け目の無い、....
渋江抽斎」より 著者:森鴎外
お考えですか。宜しい。一切わたくしが引き受けましょう。」 貞白は実に五百の深慮遠謀に驚いた。五百の兄栄次郎も、姉|安の夫宗右衛門も、聖堂に学んだ男である。もし....
くろがね天狗」より 著者:海野十三
を晴れて娶合わせるキッカケだったんだ。 疑問の殺人鬼 五ヶ年の間、帯刀の遠謀で保留されていたお妙の婿取りは、果して間もなく盛大にとり行われた。虎松も招ば....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
みても、あとの祟《たた》りというものはないか。 その辺には、駒井としては充分の遠謀熟慮があってのことだろうから、それは憂うるに足りないことでした。第一、船つき....
顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
るんで」 「つまるところ、ぼくよけだ」 「ぼくよけ……」 「敵を油断させるための遠謀深慮さ」 「すると、あなたは……」 「いかにも、その通り、おれの見こみでは、....
水晶の栓」より 著者:新青年編輯局
。この瞬間、彼が魔のごとき洞察力、彼が満身の勢力、彼が徹底せる熟慮と深瀾のごとき遠謀とが渾然として湧出して来る。しかしてその澄み切った心鏡に映るあらゆる形勢と現....
八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
寄す 錬汞服沙一日に非ず 古木再び春に逢ふ無かる可けん 河鯉権守 夫れ遠謀|禍殃を招くを奈ん 牆辺耳あり※を舁ぐの孤児戦場に趁く 蟇田素藤 ....
キャラコさん」より 著者:久生十蘭
竦《すく》んでいるほかはなかった。 沼間家が一文なしになったことも、沼間夫人の遠謀も、猪股氏と槇子の婚約も、みな、意外なことばかりだったが、そうとなると、叔母....
三国志」より 著者:吉川英治
爪牙をあらわした。猛獣はついに飼主の手を咬んだのである。 けれど彼は元来、深慮遠謀な計画のもとにそれをやり得るような悪人型ではない。猛獣の発作のごとく至って単....
三国志」より 著者:吉川英治
歓んだ。玄徳の人物もこの程度ならまず世に無用な人と観てしまったのである。……彼の遠謀とも知らずに。 ちょうどその頃。 南苑の門のあたりでも、さながら雷鳴のよ....
三国志」より 著者:吉川英治
め。粗暴もいい加減にいたせ。関羽どのが一時、曹操に降ったのは、死にもまさる忍苦と遠謀があってのことだ。汝の如き短慮無策にはわかるまいが、謹んで矛をうしろにおき羽....
三国志」より 著者:吉川英治
げられるがよいかと思います」 そういう孔明の説に対して、 「いや、これは周瑜の遠謀にちがいない」 とか、 「求めて虎口に入るようなものだ」 とか、それを危....
三国志」より 著者:吉川英治
萌関から呼び返し給え。そう申しつかわしたわけです」 「なるほど」 玄徳は孔明の遠謀に、今さらながら愕きの目をみはっていた。 「――交渉数回、もともとそれに野望....