遠近法[語句情報] »
遠近法
「遠近法〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
遠近法の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「冬」より 著者:芥川竜之介
った。僕は黙って巻煙草に火をつけ、壁にかかげた画の一枚に、――従兄自身の肖像画に
遠近法の狂いなどを見つけていた。
「こっちは万歳どころじゃありはしない。そんなこ....
「ヰタ・セクスアリス」より 著者:森鴎外
、その時よりは熟《よ》く分った。Michelangelo の壁画の人物も、大胆な
遠近法を使ってかいてあるとはいうが、こんな絵の人物には、それとは違って、随分無理....
「長篇作家としてのマクシム・ゴーリキイ」より 著者:宮本百合子
など鋭利にとらえているけれども、人間と人間との輪廓、人間と人間との間に生じている
遠近法などの把握では、常に何か茫漠としている。そういう部分がゴーリキイ的な地色で....
「あられ笹」より 著者:宮本百合子
ろばせ、つづいてその画魂に愉快を覚えるのは、宗達がこの三人ずつの一組のところで、
遠近法というものを、さかさまにしている点である。 こんな小さい縮写でさえ、力量....
「イデオロギー概論」より 著者:戸坂潤
und Utopie を見よ。 夫々のイデオロギーはその立場からする夫々の「
遠近法」を持っている、イデオロギーは凡てその意味に於て、相対的ではないにしても「....
「小説中の女」より 著者:豊島与志雄
くから眺むる手法の上に立てられていたので、みさ子の面影が余り目近に迫ってくると、
遠近法がうまく取れなかった。でそれを書くには、手法から従って構想までも立て直す必....
「可能性の文学」より 著者:織田作之助
説とは純粋になればなるほど形式が不純になり、複雑になり、構成は何重にも織り重って
遠近法は無視され、登場人物と作者の距離は、映画のカメラアングルのように動いて、眼....
「芸術と数学及び科学」より 著者:三上義夫
神韻を保ちつつ、同時に形似のところを発揮することもできたのであった。西洋の絵画に
遠近法だの比例の取れることだのいうことが、やかましく、自然に即したもののできたの....
「キャラコさん」より 著者:久生十蘭
この奇妙な、深い奥行きは、いったいなにから来る感じなのであろう。どういう不思議な
遠近法によるのか、その気になれば、わけもなくスラスラと、その中へはいってゆけそう....
「絵画について」より 著者:三好十郎
均整・鋭さ・単純さ・異様さなどを感じたことは私は一度もない。例えば彼の作品にある
遠近法の逆用や多視角の併存や色彩のスペクトル化やお乳のそばにお尻を描くといった風....
「江戸芸術論」より 著者:永井荷風
また極めて写生に遠ざかりたるものなり。浮世絵における和蘭画《オランダが》幾何学的
遠近法の応用は既に正徳《しょうとく》享保頃に流行せし劇場内部の光景または娼楼《し....
「日和下駄」より 著者:永井荷風
に取っては絶好の案内たるやいうを俟《ま》たない。北寿が和蘭陀風《オランダふう》の
遠近法を用いて描いたお茶の水の錦絵はわれら今日|目《ま》のあたり見る景色と変りは....
「審判」より 著者:カフカフランツ
ははいらず、それがあまりに立体的に絵から浮び出て、ひどく固くなってすわっており、
遠近法が間違っているため、やっとこさ互いに向い合っていることがわかる始末だった。....
「偶言」より 著者:津田左右吉
飾に用いられるとやや規模が大きくなり、従って、或る距離を隔てて画面を見る必要上、
遠近法なども多少発達し全体としての色調という観念も生ずるようになって、かの高野山....
「『唯研ニュース』」より 著者:戸坂潤
とは、技術的に両立しない。だがテクニカラーを見てまず気のつく点は、色彩のおかげで
遠近法も著しくハッキリするということだ。之は相当に立体感を再現しているから、或る....