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遠退く
「遠退く〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
遠退くの前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「野分」より 著者:夏目漱石
うちに妻君はしだいと自分の傍を遠退《とおの》くようになった。 妻君が自分の傍を
遠退くのは漂泊のためであろうか、俸禄《ほうろく》を棄《す》てるためであろうか。何....
「不尽の高根」より 著者:小島烏水
杯に緑の焔を吐く森林が、水中の藻の揺らめくように、濃淡の藍を低い雲に織り交ぜて、
遠退くが如く近寄るが如く、浮かんでいるばかりで、輪廓も正体も握みどころがないが、....
「首頂戴」より 著者:国枝史郎
し、遁れられるだけは遁れてみよう、こう思ったか追っかけた。 「御用々々!」 と
遠退く声! 「ワッ」と二、三度悲鳴がした。 大膳が捕方を切ったのらしい。 「よ....
「十二神貝十郎手柄話」より 著者:国枝史郎
!」 武士と売卜者とは黙っていた。その間に駕籠と侍とは進んだ。その駕籠と侍との
遠退くのを、四人の者は一つに塊まり、残念そうに見送ったが、 「どうも十二神に出ら....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
しても再び寄れず、焦心ても無駄に互いに押され、右へ左へ、前と後とへ、次第次第に、
遠退く、
遠退く! 「陣十郎オ――ッ! 汝逃げるな!」 「何の逃げよう――ッ! 主....
「黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
、私は先に立ってグングン急いだ。川が大きく左に曲って、行手に立ち塞る小山が左右に
遠退くと、正面に幅の広い大雪渓が驚くほど近く顕われる。上の方は蒸し返えす積雲に掩....