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「遠道〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

遠道の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
ろを見ると、どっか穴倉にでもほうり込まれているにちげえねえよ。でも、おめえは少し遠道しなくちゃならねえからな、一丁だけ駕籠を雇って、すぐ黒門町のほうを洗ってきな....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
だれにも選びやすい近道の熊谷|街道《かいどう》へおかずに、かえって人の選びにくい遠道の羽生《はにゅう》街道へ置くに相違あるまいという考えが起こりましたものでした....
旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
を妨げざるよう心して川岸を通るべし、という御布令書の掟を重んじて、その川岸伝いに遠道の永代橋口へさしかかって行くと、酔狂といえば酔狂でした。そこの橋手前の乱杭際....
煩悩秘文書」より 著者:林不忘
さまは、どうかなさいましたので。」 「うむ、いや、なに、ちょっと眠っておるのだ。遠道をすると足弱はことのほか疲れると見えるのう。」 「いえ、もう、御婦人方はごも....
加護」より 著者:宮本百合子
夫ですか?――どうしたんでしょうね」 傍から、淑子や女中が、近頃、彼女は、よく遠道をした後に、胸が苦しいと云っては暫く横になることがあると説明した。 時には....
千早館の迷路」より 著者:海野十三
いてなおも廻っていると、元の玄関の前へ出た。これで一巡したのである。三四丁もある遠道をしたような気がした。雑草が足をしばしば奪ったせいでそう感じたのかもしれない....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
拾いをしたようなもんだが、なにぶんこんなに身体が弱っていた日にゃ所詮《しょせん》遠道は利かねえ、あの役人というのが、勤番支配なんだから、一度はこうして助けてもら....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
うめ》の町はずれを、武蔵野の広い原へ向けて馬を歩ませておりました。 お松のやや遠道をする時は、大抵は馬に乗るのが常で、お松が馬に乗ると、早くもムク犬がその馬側....
ブレーメンの町楽隊」より 著者:楠山正雄
おんどりは、とまり木のかわりに、屋根うらのはりの上にのりました。なにしろ、みんな遠道をして来て、くたびれていましたから、もうさっそくに、ぐっすりねつきました。 ....
家なき子」より 著者:楠山正雄
ら焼きとりんごの揚げ物をこしらえているところですよ」 「そうらしいて。だが何里も遠道をかけて来た者に、まさかどら焼きでごめんをこうむるつもりではあるまい」 「ほ....
」より 著者:森鴎外
る外に、竜泉寺町にまで出張所とでも云うような家があって、学生が所謂金策のために、遠道を踏まなくても済むようにしてある。根津で金のいるものは事務所に駈け附ける。吉....
幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
あった。ちょっと人力車に乗っても、三銭とか五銭とかいう位で、十銭というのはよほど遠道であった。万事がこんな風でありましたから、十日間に百六十余円を使うのは骨が折....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
余程早川ですから棒杭を立てる訳に行かんようです。もっともここまで来るまでは近道と遠道とがあって、その遠道は山をくるくる廻って薄暗いがカリンポンまでずっと続いて上....
濹東綺譚」より 著者:永井荷風
《やす》むことにした。 四五日つづけて同じ道を往復すると、麻布《あざぶ》からの遠道も初めに比べると、だんだん苦にならないようになる。京橋と雷門《かみなりもん》....
三国志」より 著者:吉川英治
操の質問に、 「いずれも南郡へ通じていますが、道幅の広い大道のほうは五十里以上も遠道になります」 と、地理にくわしい者が答えた。 曹操は聞くと、うなずいて、....