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遡る
「遡る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
遡るの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
人が最古の規則正しい天文観察を行ったのは耶蘇紀元前四〇〇〇年ないし五〇〇〇年前に
遡るものと推測される。ローマ人やギリシア人の考えではこれが数十万年の昔にあったと....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
置きました。 船はいい加減のところまで下ったので、さらに方向を転じて上流の方へ
遡ることになりました。灯の少ないここらの町はだんだんに薄暗く暮れて来て、栗の立木....
「単独行」より 著者:加藤文太郎
自動車あれども人多く自分は徒歩にて出発、自動車道なれば道よし、有明温泉を経て川を
遡る。名古屋の人(高商生)と一緒に行く。アルプス山間たる価値ありき、中房温泉着約....
「御萩と七種粥」より 著者:河上肇
に関する私の最初の記憶は、後に述べるような事情から、彼女が藤村家に居た時代にまで
遡る。私は幼い頃、祖母に連れられて、幾度か叔母の許を訪ねた。 私の家は錦川に沿....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
んだん事の次第をしらべますると、話はずっと遠い昔、私がまだ現世に生きて居た時代に
遡るのでございます。前にもお話ししたとおり、良人の討死後私は所中そのお墓詣りを致....
「栗の花」より 著者:岡本綺堂
見て置きました。 船は好加減のところまで下ったので、更に方向を転じて上流の方へ
遡ることになりました。灯の少いここらの町はだんだん薄暗く暮れて来て、栗の立木も唯....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
は已むに已まれぬ執著に外ならない。執著の業には因がある。その業因は彼の未生以前に
遡る。目を遣れば遣るほど計り知れぬ劫初にきざしているといってもなお及ばない。生は....
「悪因縁の怨」より 著者:江見水蔭
の声。 四 「どうも万事がトントン拍子、この風に白帆を張って川上に
遡るのは、なんとも云えませんな。おやおや、弁天様のお宮の屋根が蘆の穂のスレスレに....
「おせん」より 著者:邦枝完二
く限り、遠く筑波山の麓まで続くかと思われるまでに澄渡って、綾瀬から千|住を指して
遡る真帆方帆が、黙々と千鳥のように川幅を縫っていた。 その絵巻を展げた川筋の景....
「黄八丈の小袖」より 著者:岡本綺堂
空はまだ暮れ切れなかったが、水の光は漸次に褪めて、薄ら寒い夕靄の色が川下の方から
遡るように拡がって来た。水は音もなく静かに流れていた。 番太郎が七つ半(午後五....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
放胆|無礙な画風は先人椿岳の衣鉢を承けたので、寒月の画を鑑賞するものは更に椿岳に
遡るべきである。 椿岳の画の豪放|洒脱にして伝統の画法を無視した偶像破壊は明治....
「炭焼長者譚」より 著者:喜田貞吉
れらは勿論よい加減な仮托が多かったに相違ない。しかしわざわざそんな古い時代にまで
遡るまでもなく、明治初年の職員録を見れば、月給十何円の判任官までがことごとく由緒....
「文章を作る人々の根本用意」より 著者:小川未明
現代の文学書(論集、小説、詩歌のいずれを問わず)に親しみ、次第に過去時代の産物に
遡ることを以て、効果多い方法と信ずる。たとえばルソーの『懺悔録』あたりから、近代....
「釜沢行」より 著者:木暮理太郎
の晴れを見越して、雨の中を午後十一時飯田町発の汽車に乗る。 笛吹川の上流西沢を
遡ることが此旅行の主眼であった。このことは今迄不可能であると言われていたが、可な....
「黒部川を遡る 」より 著者:木暮理太郎
こにはギボウシの花が咲いているのを見た。河原伝いの気楽さを沁々味いながら、二町も
遡ると対岸で餓鬼谷が合流している。此峡谷の支流としては落口が誠に穏かだ。硫黄の臭....