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「遣らせ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

遣らせの前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:島崎藤村
した。 「まあ、学校の方のことは、お前に任せる……俺の積りでは、延に語学をウンと遣らせて、外交官の細君に向くような娘を造りたいと思っていた。行く行くは洋行でもさ....
蒲団」より 著者:田山花袋
か言われた男で、芳は女学院に居る頃から知っておるのでしょうがナ。説教や祈祷などを遣らせると、大人も及ばぬような巧いことを遣りおったそうですけえ」 「それで話が演....
爆弾太平記」より 著者:夢野久作
抜さ加減には取敢えず度肝を抜かれたよ。殺人犯を捕える参考のために、人殺しの実演を遣らせるようなもんだからね。……しかし何をいうにもこの談判委員を承った連中という....
錦染滝白糸」より 著者:泉鏡花
はッ。いや。当家のお母堂様も御存じじゃった、親仁こういう事が大好きじゃ、平に一番遣らせてくれ。 村越 (ともに笑う)かえってお心任せが可いでしょう。しかし、ちょ....
ほととぎす」より 著者:堀辰雄
ないその少女が見たくて溜《たま》らなかったので、すぐにこちらへ来るようにと呼びに遣らせた。 その少女は十二三と聞いていたが、その年にしては思ったよりも小さくて....
鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
った。これは病気が平癒したら裸参りをさせますという祈願を籠めて、それが叶ったので遣らせるのであった。また縁日などに乞食坊主は寒中裸で水を浴びて人に銭を貰った。こ....
お久美さんと其の周囲」より 著者:宮本百合子
な装もさせられないので、十七の年お関は仲間の者の世話で程近いM町の生糸屋へ奉公に遣らせられた。 M町はY町と山一重越した丈の事であったけれ共、まるで世の中の違....
北村透谷の短き一生」より 著者:島崎藤村
い、というようなことが書きつけてある所もあり、自分の子供にはもう決して文学なぞは遣らせない、という事なぞを書いたものがあった。それから何も物の書けないような可傷....
夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
あまり見苦しいので家人も億劫がっていたところ、西岡という若い未亡人が来て、自分の遣らせている塩湯はどうだろうと勧めてくれた。家人のためには渡りに船であった。 ....
宝塚生い立ちの記」より 著者:小林一三
の出来たのは思いつきだといわなければなるまい。しかもその少女歌劇団にお伽のものを遣らせて少年少女を歌劇趣味に導きつつ徐々に社会の新趣味を向上させようとの思いつき....
食道楽」より 著者:村井弦斎
り昨日煮たものを今日温めて食べるのがよいようです」中川「なるほどね、早速お登和に遣らせてみましょう。此方《こっち》のお皿のは南京豆の和物《あえもの》ですか、胡麻....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
。――その童とやら、おもしろそうな奴。徒然の話し相手には、ちょうどよい。菓子でも遣らせよう。これへ、呼んでおくれぬか」 伊織は、庫裡へ来て、 「おばさん、粟が....
木綿以前の事」より 著者:柳田国男
者を、表の取次から客の給仕、水汲み・庭掃除、箱葛籠の出し入れ、たまには土ほじりも遣らせようとなると、どうしても着物は中途半端にならざるを得ない。女房や娘にそんな....