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遣り切れない
「遣り切れない〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
遣り切れないの前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「富士」より 著者:岡本かの子
に対しても根が尽き果て、さればといって死へも急げない、生けるものに取っていちばん
遣り切れないときに飲めと仰《おっ》しゃるんです。そのときがいちばん利くと。でも、....
「光と風と夢」より 著者:中島敦
ことだ! おまけに、褒める者も貶《けな》す者も、共に誤解の上に立っているのだから
遣り切れない。褒貶《ほうへん》に拘《かか》わらず兎に角私の作品に完全な理解を示し....
「ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
て並んだ星になって、下界の人間をトコトンまで羨やましがらせましょうというんだから
遣り切れないよ。覗いて聞いていた奴もタイシタ奴に違いないが……」
「しかし、それ....
「爆弾太平記」より 著者:夢野久作
特に司法関係の仕事は内鮮に跨った問題が多いんだからね。一々その手で撥ねられちゃあ
遣り切れないだろうよ。成る程。……債券や紙幣の偽造が、朝鮮に逃げ込むと捕まらなく....
「無系統虎列剌」より 著者:夢野久作
れるんじゃないかと思ってビクビクするね。しかもそのたんびに宣誓させられるんだから
遣り切れないよ。法医学部専門の大英百科全書を買ってくれと、毎年毎年予算に出しては....
「冥土行進曲」より 著者:夢野久作
ッハッハッ。貴方の御運が強いのですね。……実はコンナ処へでも来て息を抜かなくちゃ
遣り切れないほど儲かりますのでね。ハッハッ」 「やはり……その動脈瘤の治療で……....
「近世快人伝」より 著者:夢野久作
しまわる。親爺も亦親爺で、伜を育てるのと債券を買うのと同じ事に心得ているんだから
遣り切れない。そこで就職出来ないとなると世の中が悪いと云って俺の処へ訴えに来る。....
「マクシム・ゴーリキイの伝記」より 著者:宮本百合子
なかったこの時代の「自分の祈祷文」の中に一つこういう詩があった。 神様、神様、
遣り切れない はやく大人にして下さい このまんまでは辛抱が出来ない 首をくくって....
「巴里の秋」より 著者:岡本かの子
またあの兄んちゃんのことでも考えてるんだろ。 ――からかうにもさ、リヨン訛じゃ
遣り切れないよ、このひと、いいかげんにパリジェンヌにおなりよ。 十八、九のは少....
「こま犬」より 著者:岡本綺堂
まけにこういう時にうんと飲もうと手ぐすねを引いている連中もあるのだから、いよいよ
遣り切れない。それでも後日の悪口の種を播かないように、兄夫婦は前からかなり神経を....
「アリゾナの女虎」より 著者:牧逸馬
係が言うには、変な臭いのする荷物が着いたからといって、一いち警察へ報らせていては
遣り切れない。世の中には、変った人も多いから、思いもかけない奇抜な品物を思いも掛....
「沈黙の水平線」より 著者:牧逸馬
のだった。が、品物が出来て渡して終ってから、けちをつけられて値引きをされたのでは
遣り切れない。バアクレイ・カアル造船所も躍起になって、断じてそんな事はないと言い....
「釜沢行」より 著者:木暮理太郎
れるにしても、横を搦んで遡行することは容易な仕事ではない。二升四合の米ではとても
遣り切れないと腹の中でそろそろ逃げ支度にかかりながら、顔だけは平気を装って、オイ....