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「遣り繰り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

遣り繰りの前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
これと前後して鼎造の手紙が復一に届いた。それには、正直に恐慌以来の自家の財政の遣り繰りを述べ、しかし、断然たる切り捨てによって小ぢんまりした陣形を立直すことが....
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝」より 著者:三遊亭円朝
は相違なく算段するよ、これだけの構をしていても金のある道理はない、七ヶ年の間皆|遣り繰りでやって来たのだからよ」 又「じゃア飯を喰って帰ろう」 とずう/\しい....
仮装人物」より 著者:徳田秋声
たからで――しかしまた庸三が取捨の一半の権利をもっており、事によれば庸三が採点の遣り繰り一つで、彼女の作品の運命を決定することも不可能ではなかったので、あらかじ....
爆弾太平記」より 著者:夢野久作
頼する向きがソレ以来、激増して来たのには面喰った。一時は、お座敷がブツカリ合って遣り繰りが付かないほどの盛況を逞したもんだ。流石のドン様ドン様連中も、最早イケナ....
陳情書」より 著者:西尾正
、焼死した守が一歳の頃でありました。梅雨のシトシト落ちる鬱陶しい一夜、妻と家計の遣り繰りに就いて相談して居りますと、隣室に臥て居た守が空腹の為か突然眼を覚し癇高....
学問の自由」より 著者:寺田寅彦
。その上に肝心な研究費はいつでも蟻の涙くらいしか割当てられない。その苦しい世帯を遣り繰りして、許された時間と経費の範囲内で研究するにしても、場合によってはまた色....
にらみ鯛 」より 著者:佐藤垢石
年度の収納でこれを償い、なおその余りで年度の末までを賄うありさまであった。謂わば遣り繰り算段であったのである。 又このようにご窮乏のうちにある宮中の会計や、庶....
凍雲」より 著者:矢田津世子
さんを金で買ったでもねえし、また家さ金のなる木を植えてるわけでもねえし、何んとか遣り繰り算段して、その内に、利子だけは負けにして融通しようと思っていたですが、何....
明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
では八字になる。由来、芝居道では偶数の名題を忌む慣習があるので、いろいろに無理な遣り繰りをして、三字、五字、七字にする。したがって、江戸時代の狂言や浄瑠璃の名題....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
さんあるが、ここまで良平が鞭打って来るほどの急用は、まさか年暮に迫っての負債とか遣り繰り相談とも思われない。 「何だ。何かわしの留守中に起ったのか」 「すぐ若先....
美しい日本の歴史」より 著者:吉川英治
こった。彼らは自分持ちの宅地や口分田まで質入れして辛くもそんなときを凌いだ。その遣り繰りのためにある“月借銭”の官金の利息なるものがまたじつに無茶である。元金百....