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遣方
「遣方〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
遣方の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「婦系図」より 著者:泉鏡花
「母様が何だ。母様が娶うんじゃあるまい、君が女房にするんじゃないか。いつでもその
遣方だから、いや、縁談にかかったの、見合をしたの、としばしば聞かされるのが一々勘....
「紅玉」より 著者:泉鏡花
ういう事が起って、それが破滅に近づく時は、誰もするわ。平凡な手段じゃ。通例過ぎる
遣方じゃが、せんという事には行かなかった。今云うた冥土の旅を、可厭じゃと思うても....
「春昼」より 著者:泉鏡花
な華族も及ばん暮しをして、交際にかけては銭金を惜まんでありますが、情ない事には、
遣方が
遣方ゆえ、身分、名誉ある人は寄つきませんで、悲哉その段は、如何わしい連中ば....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
来三と一だの、一と三だのと云って、
真理の代に妄想を教えるのは
いつの世にもある
遣方です。そんな工合に
誰にも邪魔をせられずに饒舌って教えています。
誰が馬鹿に....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
聖な訳じゃないか。ハヽヽヽ」 「君の云う通りだ。ハヽヽヽ。然しね君、支倉のような
遣方では刑事ならずとも疑わざるを得んじゃないか」 「全くだ」 根岸はうなずいた....
「家」より 著者:島崎藤村
堪えられないような、病人らしい、可傷しい眼付をした。「僕に言わせると、ここの家の
遣方は丁度あの文晁だ……皆な虚偽だ……虚偽の生活だ……」 あまり宗蔵が無遠慮な....
「家」より 著者:島崎藤村
やがて兄の勧める茶を飲んで、 「貴方のは人を助けて、自分で困ってる……今日までの
遣方で行けば、こう成って来るのは自然の勢じゃ有りませんか。私はよくそう思うんです....
「旧主人」より 著者:島崎藤村
も、計画でも、皆私の意見を基にしてやっている。小諸が盛んになるも、衰えるも、私の
遣方《やりかた》一つにあるのだ。その私が事業《しごと》の記念だと言って、爰《ここ....
「あらくれ」より 著者:徳田秋声
ってみることになった、毛布の方の仕事を背負《しょ》いこんで来ると、そう言ってその
遣方を彼女に教えて行った。
毛布というのは兵士が頭から着る柿色の防寒|外套《が....
「リラの手紙」より 著者:豊田三郎
だけでは不安を押えることも、怒りを相手に伝えることも出来ないという半ばは意識的な
遣方で、いきなりばりばりと十二頁のノートを引きさいて、下へ持ってって下さいと青江....
「模倣と独立」より 著者:夏目漱石
というが、同じ事をしても結果に行って悪いと、直ぐにあの人の遣口は悪いという。その
遣方《やりかた》の実際を見ないで、結果ばかりを見ていうのである。その
遣方の善《よ....
「神社合祀に関する意見」より 著者:南方熊楠
方は、火災の防ぎ十分ならぬ田舎地方の処置としては、古人の所為に比してまことに拙き
遣方《やりかた》とやいわん。さて焼けたる諸社の氏子へ一向通知せず、言わば神社が七....
「南北」より 著者:横光利一
にとって不得策だと考えつくと、今更安次を連れて来てにじり附けた秋三の抜け目のない
遣方に、又腹立たしくなって来た。 安次は食べ終ると暫く缶詰棚を眺めながら、 「....