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遥拝
「遥拝〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
遥拝の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「未来の地下戦車長」より 著者:海野十三
朝|営舎《えいしゃ》で目をさますと、まず真先《まっさき》に宮城《きゅうじょう》を
遥拝《ようはい》し、それから「未来の地下戦車長、岡部一郎」と、手習《てなら》いを....
「織成」より 著者:田中貢太郎
たのは王妃の命であります。」 柳は喜んで手を洗い香を焚いて、洞庭湖の方に向いて
遥拝してから、女を伴れて帰った。後にまた武昌にいく時女が里がえりがしたいというの....
「源氏物語」より 著者:紫式部
たのだから、と思うと源氏は苦しかった。自身もまた馬からおりて加茂の社《やしろ》を
遥拝《ようはい》してお暇乞《いとまご》いを神にした。 うき世をば今ぞ離るる留《....
「餅のタタリ」より 著者:坂口安吾
か」 「ハッハッハ」平吉は笑うのみで黙して語らず、期待に胸をワクワクさせて、新年
遥拝式の終るのを待った。餅を食ってきたに相違ない助六も、天を怖れる風もなく、列に....
「雪霊続記」より 著者:泉鏡花
て、犬の頭突きに、扉が開いた。 余りの嬉しさに、雪に一度手を支えて、鎮守の方を
遥拝しつつ、建ものの、戸を入りました。 学校――中学校です。 ト、犬は廊下を....
「銀三十枚」より 著者:国枝史郎
なことだろう。 だが触れることは出来なかった。彼女がそれを断わるからであった。
遥拝しなければならなかった。 又その方がある意味から云って、私にとっても幸せで....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
郎は、今朝も足音をしのばせながら、塾生たちの姿勢を直してやった。 静坐のあとは
遥拝だった。――これは皇大神宮と皇居に対する儀礼で、その当時は、極左分子や一部の....
「四国遍路日記」より 著者:種田山頭火
晴、行程八里、星越山麓、あさひや。 早起早立、まっしぐらにいそぐ、第十八番恩山寺
遥拝、第十九番立江寺拝登。 野良で野良働きの人々がお弁当を食べている、私も食べる....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
居する武士という武士は、要介を知らない者はなく、そういう意味で、浪之助も、諸方で
遥拝して知っていたのであった。 そういう要介が現われたのである、かしこまったの....
「支那の思出」より 著者:国枝史郎
意を表したに相違ない。私たちだって、外人などが二重橋前に立って宮城に対し、恭しく
遥拝している姿を見ると、その外人に対し、感謝したくなるではないか) と思った。....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
て両陛下の万歳を三唱しおわり、雑煮を味わい屠蘇を傾け、さらに領事館に至りて新年の
遥拝をなし、午後市外の散策を試み、水族館に入る。異様の魚類多し。また、他方面へも....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
ろくして、 「まあ――」 「まあ――」 「ずいぶん怖い子ね」 そこへ、お通が、
遥拝をすまして戻って来て、 「どうしたの? 皆さん」 問われるのを待ちかまえて....
「三国志」より 著者:吉川英治
奉の処置にまかせていた。 楊奉は、やがて戟をおさめると、兵を整列させて、御車を
遥拝させた。そして彼自身は、※を手に持って、帝の簾下にひざまずいて頓首していた。....
「私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
ろの東京である。私はそれには乗らず、鍛治橋から二重橋へ向かい、うやうやしく宮城を
遥拝した。 上野の博物館へはいって、出てからふと気がつくと、がま口がない。中に....