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適切
「適切〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
適切の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「時代閉塞の現状」より 著者:石川啄木
れば、我々全青年の心が「明日」を占領した時、その時「今日」のいっさいが初めて最も
適切なる批評を享《う》くるからである。時代に没頭《ぼっとう》していては時代を批評....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
花に乗っていた。 「結構な御住居でございますな。」 ここで、つい通りな、しかも
適切なことを云って、部屋へ入ると、長火鉢の向うに坐った、飾を挿さぬ、S巻の濡色が....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
nd I live a bird)“I live a bird”……英語にはこの
適切な愛の発想法がある。若しこの表現をうなずく人があったら、その人は確かに私の意....
「春の潮」より 著者:伊藤左千夫
のであろう。余裕なき境遇にある人が、僅かに余裕を発見した時に、初めて余裕の趣味を
適切に感ずることができる。 一風呂の浴みに二人は今日の疲れをいやし、二階の表に....
「駆逐されんとする文人」より 著者:内田魯庵
けるにも両様の意味がある。 ▲戸川秋骨君が曾て大久保を高等|裏店だと云ったのは
適切の名言である。 ▲其上に我々は市外に駆逐されるばかりじゃない。毎日々々高価....
「貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
る翁の、この譬喩の言を聞かれよ。筆者は、大石投魚を顕わすのに苦心した。が、こんな
適切な形容は、凡慮には及ばなかった。 お天守の杉から、再び女の声で…… 「そん....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
は逞しく、葉の一枚も、烏を組んで伏せそうである。 ――遠くに居る家主が、かつて
適切なる提案をした。曰く、これでは地味が荒れ果てる、無代で広い背戸を皆借そうから....
「久保田万太郎氏」より 著者:芥川竜之介
微苦笑と称するを妨げざるべし。唯僕をして云わしむれば、これを微哀笑と称するの或は
適切なるを思わざる能わず。 既にあきらめに住すと云う、積極的に強からざるは弁じ....
「茶の湯の手帳」より 著者:伊藤左千夫
利用してそれに礼儀と興味との調和を得せしむるという事が家庭を整へ家庭を楽むに最も
適切なる良法であることは是又何人も異存はあるまい、人或はそんなことをせなくとも、....
「幼き頃の想い出」より 著者:上村松園
殊な床しい美が発見されるのです。そこにも又尊い芸術の光、古典の命が潜んで居ます。
適切に申せばそれらは「古ぼけた美」とでもいうべきでございましょう。 菊....
「おばけずきのいわれ少々と処女作」より 著者:泉鏡花
いないで、「念彼観音力」という音読法を用いる。蓋し僕には観音経の文句――なお一層
適切に云えば文句の調子――そのものが難有いのであって、その現してある文句が何事を....
「迷信解」より 著者:井上円了
空なり。本来東西なし。いずれの所にか南北あらん」とあるは、鬼門の迷信を諭すに最も
適切の偈文であると思う。 方位を考えて吉凶を判ずる法を方鑑と名づけ、これに関す....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
れなかったらしい。聡明に過ぐるものは自信を欠くと昔からいうが、二葉亭の如きはその
適切な一例であった。自分を局外に置いて見る時は群小作家皆豆粒よりも小さかったが、....
「浅沼稲次郎の三つの代表的演説」より 著者:浅沼稲次郎
界の情勢は変化をいたしました。毛沢東先生はこれを、東風が西風を圧倒しているという
適切な言葉で表現されていますが、いまではこの言葉は中国のみでなく世界的な言葉にな....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
大王の軍を抑留し、その間奇兵を以て大王の背後を脅威する。大王が会戦を求めんとせば
適切なる陣地を占めてこれを回避する。大王は食糧欠乏、患者続出、寒気加わり、遂に大....