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「適度〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

適度の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
する興味を与えることばかりである。 敵意 敵意は寒気と選ぶ所はない。適度に感ずる時は爽快《そうかい》であり、且《かつ》又健康を保つ上には何びとにも絶....
カインの末裔」より 著者:有島武郎
》しい馬に、磨《と》ぎすましたプラオをつけて、畑におりたった。耡き起される土壌は適度の湿気をもって、裏返るにつれてむせるような土の香を送った。それが仁右衛門の血....
放送された遺言」より 著者:海野十三
する人類の熱心さとたくらみはあまりにひどくはないかと思います。チロリウムは人類に適度に服用せられて不老不死の大目的を達するという証明の出るやいなや人々はあらゆる....
最終戦争論」より 著者:石原莞爾
宣明せられた建国の大理想は、民族不動の信仰として、われらの血に流れている。しかも適度に円満に南種の血を混じて熱帯文明の美しさも十分に摂取し、その文明を荘厳にした....
寒の夜晴れ」より 著者:大阪圭吉
ら三四郎の家までは、スキーで行けば十分とかからない。 三四郎の住居は、丸太材を適度に配したヒュッテ風の小粋な住居で、同じように三軒並んだ右端の家であった。左端....
渾沌未分」より 著者:岡本かの子
何か新らしく仕込んだ洒落の一つも披露しながら、片隅の焜炉で火を焙して、お椀の汁を適度に温め、すぐ箸が執れるよう膳を並べて帰って行く。 「不味いものを食うくらいな....
家庭愛増進術」より 著者:岡本かの子
内では実に私は一平の召使のような働きをする時がいくらもあるのですから。 両方で適度に助け合い世話もやかせ合わなければ両者の親愛はむしろ保てないと私の生活意識の....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
た挙げ句に最後のひと廻りをしている時と、最後の一服をくゆらしている時と、それから適度にからだを疲れさせて、子供のような澄んだ心持ちで自由に自分の部屋へはいるとき....
時 処 人」より 著者:岸田国士
の私にとつて、実にぴつたりした申分のない土地である。 この程度の小都市は、私に適度の休息と刺激とを与えてくれる。 必要なものはほとんどなんでもあるが、余計な....
夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
者であるが惜しいことには体が弱い。鶴見はそう思ってあたりを見まわした。 室内は適度に保温されて、床脇の違い棚の上に華奢な鶯の籠が載せてある。鶴見にはそれがこの....
俳優倫理」より 著者:岸田国士
も、自意識が多すぎるという証拠です。 そこで、日本人全体を標準にして考えると、適度な自意識をもつということが先ず必要ですが、俳優の場合は、更に、普通の人よりは....
あるニュウ・フェイスへの手紙」より 著者:岸田国士
は、どうしても、滾々と流れ出る相当の水量の重さと幅とを、軽々と流し去る滑りのいい適度の傾斜をもった溝が是非ともなくてはならない。 ある面倒な科白をいう役者が、....
画室談義」より 著者:上村松園
。畳数は十四あります。 明り障子とガラス障子の二枚戸にしたのは陽光の明暗強弱を適度に調節するためで、それらの三方の外には一尺幅ほどの小さい外廊が廻らしてあり、....
欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
、少量は薬にして多量は毒なり。例えば阿片のごとし。世間これを毒物とするも、これを適度に用うれば薬物となり、もしその度を失すれば毒物となる。しかるに、もし世間にま....
西航日録」より 著者:井上円了
晴期にて、毎日快晴、一片の雲を見ず。気候は不寒不熱、日中は単衣、朝夕フランネルを適度とす。夜具はケット一枚にて足れり。ただし蚊帳を要す。カルカッタ市中は欧人街お....