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適当
「適当〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
適当の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「父」より 著者:芥川竜之介
には、一人もそれを知っている者がない。だから皆、能勢の口から、この滑稽な人物を、
適当に形容する語《ことば》を聞こうとして、聞いた後の笑いを用意しながら、面白そう....
「毛利先生」より 著者:芥川竜之介
はいえん》で冬期休業の間に物故《ぶっこ》してしまった。それが余り突然だったので、
適当な後任を物色する余裕がなかったからの窮策《きゅうさく》であろう。自分の中学は....
「羅生門」より 著者:芥川竜之介
よりも「雨にふりこめられた下人が、行き所がなくて、途方にくれていた」と云う方が、
適当である。その上、今日の空模様も少からず、この平安朝の下人の Sentimen....
「将軍」より 著者:芥川竜之介
》は贔屓眼《ひいきめ》に見ても、大川の水へ没するよりは、蚊帳《かや》へはいるのに
適当していた。
空虚の舞台にはしばらくの間《あいだ》、波の音を思わせるらしい、....
「二つの手紙」より 著者:芥川竜之介
ございません。が、私は、賢明なる閣下が、必ず私たち夫妻のために、閣下の権能を最も
適当に行使せられる事を確信して居ります。どうか昭代《しょうだい》をして、不祥の名....
「或る女」より 著者:有島武郎
とかして二人《ふたり》の間の気まずさを引き裂くような、心の切《せつ》なさを表わす
適当の言葉を案じ求めているらしかったが、とうとう涙に潤った低い声で、もう一度、
....
「或る女」より 著者:有島武郎
るので他所《よそ》に移転しようかといっていたのを聞き知っていたので、女将のほうで
適当な家をさがし出してその女を移らせ、そのあとを葉子が借りる事に取り計らってくれ....
「小作人への告別」より 著者:有島武郎
私に対して負債をしておられる向きもあって、その高は相当の額に達しています。これは
適当の方法をもって必ず皆|済《すま》していただかねばなりません。私はそれを諸君全....
「星座」より 著者:有島武郎
なくなった。骨節の延び延びとした、やや痩せぎすのしなやかさは十六七の娘という方が
適当かもしれないが、争《あらそ》われないのは胸のあたりの暖かい肉づき、小鼻と生え....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
ように他の星体から隕石に混入して地表に齎されたとしても、少くとも有機物の存在に不
適当だった地球は、いつの間にかその発達にすら適合するように変化していたのだ。有機....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
して抱いていた考えは正にこの通りであった。それで実際観測された事実に応ずるように
適当にラプラスの説を修正すれば、今新たに星雲中で太陽系の進化が始まるとしたときそ....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
がありますと、大国主命様の方では、すぐに死者の行くべき所を見定め、そしてそれぞれ
適当な指導役をお附けくださいますので……。指導役は矢張り竜神様でございます。人霊....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
得る、優れた霊媒の数は極めて少ない。地上と通信を欲する高級霊は少くないが、容易に
適当の霊媒を見出し難いので、何れも躊躇するのである。かるが故に、霊界通信には玉石....
「活動写真」より 著者:淡島寒月
のはナポリだとかフローレンだとかローマとかを背景にするから、クラシカルなものには
適当で、古代を味うには頗る興味があるが、新らしい即ち現代を舞台とする筋のものでは....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
ストーンが聞いて、伝に書いた。それをそのまま著者は紹介したのである。 「自然界に
適当な質問をしかけることを知っている人は、簡単な器械でその答を得ることをも知って....