適齢[語句情報] »
適齢
「適齢〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
適齢の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「老妓抄」より 著者:岡本かの子
どのくらい目方があるかを量ってみてよ」 柚木は二三度膝を上げ下げしたが 「結婚
適齢期にしちゃあ、情操のカンカンが足りないね」 「そんなことはなくってよ、学校で....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
清二は、黄一郎の直ぐの弟だった。その下が、ゴム工場へ勤めている弦三で今年が徴兵
適齢。その下に、みどりと紅子という姉妹があって、末の素六は、やっと十五歳の中学三....
「分配」より 著者:島崎藤村
人がにわかに腎臓炎で亡くなったという通知を受けた。ちょうど、私の家では次郎が徴兵
適齢に当たって、本籍地の東京で検査を受けるために郷里のほうから出て来ていた時であ....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
郎の息子」とあるのがそれです。其頃は十六七のにこにこした可愛い息子でした。それが
適齢になって兵役に出で、満洲守備に行き、帰って結婚してもう四人の子女の父、郷党の....
「思想と風俗」より 著者:戸坂潤
婚期が延びるのだから、それだけ年を取っても婚期を失うという筈はないのである。結婚
適齢期は段々後れて来つつあるのである。娘達の眼が肥えて来て、要求が贅沢になったか....
「小春の狐」より 著者:泉鏡花
くれても、草履は駈足で時流に追着く。 「これを貰いますよ。」 店には、ちょうど
適齢前の次男坊といった若いのが、もこもこの羽織を着て、のっそりと立っていた。 「....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
も勤まった力松という、すなわちお雪の兄で、傍ら家計を支えながら学問をしていたが、
適齢に合格して金沢の兵営に入ったのは去年の十月。 後はこの侘住居に、拓と阿雪と....
「獄中消息」より 著者:大杉栄
こととして、その間に若宮などに会わせて、よく相談さすがいい。もっとも、やがて徴兵
適齢にもなるのだから、愚図愚図してもいられまい。その希望等については詳しく知らし....
「私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
商業に志を立てんとする者は、いわゆる頭の固まらざる十四五歳(貧富にかかわらず)を
適齢として、初めから小僧として実習せしむるがよい。遅くも高等小学校卒業後ただちに....
「人口論」より 著者:マルサストマス・ロバート
ls. folio, 1738, vol. i. p. 244. 一国の兵役
適齢男子数が全人口に対する比率は、一般に一対四と見積られている。そこで五九、七八....
「俳優倫理」より 著者:岸田国士
るかが問題です。いろんな標準でつけられます。大学生として、中年の紳士として、結婚
適齢期のお嬢さんとして、なんでもいい。私はこれを、一般の人に通じる人間的魅力とい....
「奥の海」より 著者:久生十蘭
にされるのでやつれてしまった。摂家も清華も、貧乏なくせに位ばかり高く、位負けして
適齢を越えても、嫁に行くことができない。そういうお姫さま方が、人懐しそうに几帳の....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
ろうが、新聞といっても『読売』が半紙位のものであるかないかというような時代、徴兵
適齢が頭の上に来ていることに私は気が附かなかった。 ところが、明治七年の九月に....
「学問の独立」より 著者:福沢諭吉
理するに行政の権力を要するもの、はなはだ少なからず。たとえば、各地方に令して就学
適齢の人員を調査し、就学者の多寡《たか》をかぞえ、人口と就学者との割合を比例し、....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
この芝居はわたしも母や姉と一緒に見物したが、一番目は「満二十年息子鑑」という徴兵
適齢を取扱った散髪物で、頗る面白くない物であったように記憶している。さて中幕の「....