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「遭逢〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

遭逢の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
の夢安からぬまで浮かれ歩《あ》るく夜もあるとか云うが、吾輩はまだかかる心的変化に遭逢《そうほう》した事はない。そもそも恋は宇宙的の活力である。上《かみ》は在天の....
写生文」より 著者:夏目漱石
事をも写すを憚《はば》からぬ。ただ拘泥《こうでい》せざるを特色とする、人事百端、遭逢纏綿《そうほうてんめん》の限りなき波瀾《はらん》はことごとく喜怒哀楽の種で、....
語られざる哲学」より 著者:三木清
ところのものである。私たちは私たちの中および周囲において限りなき不合理と罪悪とに遭逢せずにはいられない。悲しみや寂しさは私たちの運命には必然的なものであって、私....
運命」より 著者:幸田露伴
て、一朝|簒奪の君に面し、其の天下に誥ぐるの詔を草せんことを逼らる。嗚呼、運命|遭逢も亦奇なりというべし。孝孺又|嘗て筆の銘を為る。曰く、 妄に動けば 悔あり、....
渋江抽斎」より 著者:森鴎外
二十六歳、即ち抽斎より長ずること五歳であった。 次の文政九年は抽斎が種々の事に遭逢した年である。先ず六月二十八日に姉|須磨が二十五歳で亡くなった。それから八月....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
女らしい自負心が芽を出して、男を愛慕する心も起るものであります。 この不思議な遭逢《そうほう》の二人の男女は、どちらが頼り、どちらが頼られるとも知らずに、その....
丹下左膳」より 著者:林不忘
四つの目からはずむ輝きが火のようにかちあう。 恋する者の忘れられない初めての遭逢《そうほう》であった。 栄三郎は、しずかにお艶の顎《あご》に手をかけて顔を....
人生における離合について」より 著者:倉田百三
で行なわれねばならないのであって、かりそめな軽忽な態度であってはならない。人生の遭逢は幸福であるとともに一つの危機である。この危機を恐れるならば、他人に対して淡....
光り合ういのち」より 著者:倉田百三
の美を捕えようとした。 港を掠めて過ぎる帆影の一閃にも比すべきかりそめの人事の遭逢にも、私は浪曼的に夢をつなごうとした。 尾道に着いた最初の夜から私は市街の....
十五年」より 著者:山本実彦
いても、そして一人一冊とか、三人一冊とかの割当てについても、名状のできない困難に遭逢したのであった。 が、同僚たちは固い信念のもとによく努力してくれる。そして....
淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
は江戸末季の廃頽的空気に十分浸って来た上に、更にこういう道義的アナーキズム時代に遭逢したのだから、さらぬだに世間の毀誉褒貶を何の糸瓜とも思わぬ放縦な性分に江戸の....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
直ちに西欧大家の塁を衝こうとする意気込であったが、いよいよ着手するとなると第一に遭逢したのは文章上の困難であった。如何に因襲の旧型を根本的に破壊するツモリであっ....
二葉亭追録」より 著者:内田魯庵
だって夢にだも想像しなかったのだから、二葉亭だってやはり、もし存生だったら地震に遭逢したと同様、暗黒でイキナリ頭をドヤシ付けられたように感じたろう。 が、二葉....
」より 著者:中谷宇吉郎
いうことが分るであろう。実際飛行機に乗る人が、上空では地上で想像もつかぬ寒さに、遭逢していることは、誰でもきいていることである。 さてこれらの上層雲にたまたま....