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「選り好み〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

選り好みの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
籠釣瓶」より 著者:岡本綺堂
も、武家に奉公させたいと念じていたのであるが、それも時節で仕方がない、なまじいに選り好みをしているうちに、だんだんに年が長《た》けてしまっても困る。何もこれが嫁....
艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
でしょう。土でも合わなかったかな。」 「土が合わない。あんな暢気な奴でも、そんな選り好みをしますか。」 M氏は不思議そうにいった。 「するでしょうな。それから....
紫大納言」より 著者:坂口安吾
たので、都は一夜にその東西に火災を起し、また南北の路上には、貴賤富貴、老幼男女の選り好みなく斬り伏せられているのであった。そのさまは、魔風の走るにもみえ、人々は....
日月様」より 著者:坂口安吾
る。 「そんなわけで、気性が気性ですから、まア性格も陰性で、それに潔癖なんです。選り好みをしますから、お客もつかず、そうかと云って、パンパンをやるような人柄じゃ....
退歩主義者」より 著者:坂口安吾
「ふざけちゃいないよ。なんでも、やるからね。役者でも、道具方でも、ハヤシ方でも、選り好みはしないよ。あんなもの、ちょッと稽古すりゃ出来るだろう。なんなら、あなた....
水鳥亭」より 著者:坂口安吾
ゃありませんよ。おそかれ、早かれ、日本中がそうなるのです。私は、高いとか安いとか選り好みできるあなたの境遇がうらやましいと思ってますよ」 「じゃア、死ぬる思いで....
街はふるさと」より 著者:坂口安吾
「そうよ」 「どんな男とでも、な」 ルミ子はニッと笑った。 「パンパンだって、選り好みはあってよ。そうじゃないと思うの」 明るくて、邪気のない答えであった。....
光り合ういのち」より 著者:倉田百三
いのする西洋趣味の流れがそそぎ込まれた。 私の勉強の態度はかわり始めた。学課の選り好みが始まり、席次とか、級長とかいうようなものを俗視しだした。 教室で地理....
光は影を」より 著者:岸田国士
――仕事とは、いつたい、なんだ? そう考えて、彼は暗澹とすることがあつた。選り好みをするうちは、まだ余裕があるのだ、と、ある友人は言うのだけれども、彼は必....
フランケンシュタイン」より 著者:シェリーメアリー・ウォルストンクラフト
、お笑いにはならないはずです。あなたは、本や隠遁生活で仕込まれて洗煉されたので、選り好みがなかなかやかましいわけですが、それでも、しかし、この驚歎すべき人物の非....
茶番に寄せて」より 著者:坂口安吾
るこもよし、巴里の女でもアルジェリアの女でもなんでもいい。使い果してしまうまでは選り好みなしにO・Kだ。否定の精神がないのである。すべてがそっくり肯定されている....
食べもの」より 著者:佐藤垢石
山麓地方の農民は米を主食しなかったのである。つまり、雑穀をところの産物によって、選り好みせず大いに食って、大いに働いてきたのだ。 そして、水田はないけれど桑畑....
真珠の首飾り」より 著者:神西清
は、『そら、あんな素晴らしい娘さんがいるじゃありませんか! この上なんのかんのと選り好みをすることがあるもんですか、――あの人を貰ってください!』って、そりゃも....
ムツェンスク郡のマクベス夫人」より 著者:神西清
たいと言うから、嫁に来たまでのことで、なにぶん貧乏人の娘であってみれば、婿がねの選り好みをするわけにも行かなかったのである。イズマイロフの店といえば、われわれの....
私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
たのである。四月には珍しい寒い夜だった。空には星がたくさんまたたいていた。仕事を選り好みするときではない。私は本所清水町十七番地の桜井つけ物店で働かしてもらうこ....