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遺
「遺〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
遺の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
問題への霊活《れいかつ》な解決を与え得るほど、融通の利《き》く頭脳の持ち主だとは
遺憾ながら己惚《うぬぼ》れる事が出来なかった。すると彼は私の逡巡《しゅんじゅん》....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
の大きな書棚、鏡のついた大理石の煖炉《だんろ》、それからその上に載っている父親の
遺愛の松の盆栽――すべてがある古い新しさを感じさせる、陰気なくらいけばけばしい、....
「河童」より 著者:芥川竜之介
小声に返事をしました。
「僕は生まれたくはありません。第一僕のお父《とう》さんの
遺伝は精神病だけでもたいへんです。その上僕は河童的存在を悪いと信じていますから。....
「彼」より 著者:芥川竜之介
眺めた時、悲しさよりもむしろはかなさを感じた。
「なおまた故人の所持したる書籍は
遺骸と共に焼き棄て候えども、万一貴下より御貸与《ごたいよ》の書籍もその中《うち》....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
たきうち》の一行《いっこう》が熊本の城下を離れた夜《よ》、とうとう一封の書を家に
遺して、彼等の後《あと》を慕うべく、双親《ふたおや》にも告げず家出をした。
彼....
「奇遇」より 著者:芥川竜之介
ありますよ。日本人が書いたのでは、七十八日遊記、支那文明記、支那漫遊記、支那仏教
遺物、支那風俗、支那人気質、燕山楚水《えんざんそすい》、蘇浙小観《そせつしょうか....
「煙管」より 著者:芥川竜之介
を用いたそうである、事によると、これは、金無垢の煙管に懲《こ》りた斉広が、子孫に
遺誡《いかい》でも垂れた結果かも知れない。
(大正五年十月)....
「おぎん」より 著者:芥川竜之介
彼等を憎んだと云う。これは折角《せっかく》の火炙《ひあぶ》りも何も、見そこなった
遺恨《いこん》だったかも知れない。さらにまた伝うる所によれば、悪魔はその時大歓喜....
「温泉だより」より 著者:芥川竜之介
とる二百円は一体誰の手へ渡るのかと言うと、何《なん》でも契約書の文面によれば、「
遺族または本人の指定したるもの」に支払うことになっていました。実際またそうでもし....
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
で散々|撲《なぐ》られたのだそうです。すると、米屋の丁稚《でっち》が一人、それを
遺恨に思って、暮方《くれがた》その職人の外へ出る所を待伏せて、いきなり鉤《かぎ》....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
律はそう云ったぎり、何とも後《あと》を続けなかった。洋一はそろそろ不安になった。
遺言《ゆいごん》、――と云う考えも頭へ来た。
「浅川の叔母さんはまだいるでしょう....
「西郷隆盛」より 著者:芥川竜之介
ばかりではない。真理に対する態度としても、望ましい語《ことば》でしょう。ところが
遺憾ながら、西南戦争当時、官軍を指揮した諸将軍は、これほど周密《しゅうみつ》な思....
「ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
葉が使われるのだ。 そうした「動機もなく我とわが生命を断った」人間の一人が書き
遺していった手記がその男のテーブルの上に発見され、たまたま私の手に入った。最後の....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
え、伝記を書くにも精密に書ける。諸君がロンドンに行かるる機会があったら、これらの
遺物を実際に見らるることも出来る。 第三に、貴ぶべき示唆を受けることは出来ない....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
そして、彼女の評判はひろく知られていたが、それは単に美貌のためだけでなく、巨万の
遺産をうけつぐことになっていたためでもある。しかも、彼女は着ているものを見ればわ....