遺伝性[語句情報] »
遺伝性
「遺伝性〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
遺伝性の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「白蟻」より 著者:小栗虫太郎
村に祈祷《きとう》のため赴いたという事実である。するとそれからは、たとえそれが、
遺伝性であろうと伝染性であろうと、また胎中発病が、あり得ようがあり得まいが、もう....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
にして)の品行の点もあり、まあ、学校は優等としてだね。酒井は飲酒家だと云うから、
遺伝性の懸念もありだ。それは大丈夫としてからが、ああいう美しいのには有りがちだか....
「家」より 著者:島崎藤村
、その生涯がどうなる……畢竟心に休息の無いのは同じことです」 「それは、君、男の
遺伝性の野心だ。野心もそういう風に伝わって来れば、寧ろ尊いサ」と西が笑った。 「....
「ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
変である。ことに吾輩が研究の主題として選んだ材料を、今の学者の流儀で名付けると、
遺伝性、殺人妄想狂、早発性痴呆、兼、変態性慾とも名付くべき、世にもややこしい代物....
「一足お先に」より 著者:夢野久作
た。 「しかし御参考までに云っておきますが、そんな夢中遊行を起す例は、大抵そんな
遺伝性を持っている人に限られている筈です。殊に新東君なぞは、立派な教養を持ってお....
「花のたより」より 著者:宮本百合子
という意企のもとにつくられたと思われるのである。 ごく最近、私の一人の従弟は、
遺伝性の脳梅毒で発狂したピアニストの卵に危く殺されかかった実例がある。私の五つで....
「溺るるもの」より 著者:豊島与志雄
その上視力が鈍っていた。十六七の時に急に悪くなったのだという。兄は盲目だそうだ。
遺伝性黴毒からきた黒内障《そこひ》ではないかと私は思った。が彼女は角膜炎だと云っ....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
していた。彼はあまりに明敏だったので、ジャックリーヌのうちに、その意志よりも強い
遺伝性があるのを、母親の魂がふたたび現われてきてるのを、長い前から認めていた。彼....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
伏勧告に会えばただちにそれらの反抗者らを軛《くびき》の下に立ちもどらせる、従順な
遺伝性、――他人の反抗を利用して、主人のもとに駆けつけ、手柄顔をなし、利益本位の....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
しょうか、それとも癲癇的|発作のためでしょうか。お気の毒ですが、あなたが自分には
遺伝性癲癇があると申し出てくれなければ、私には他に適当な診断がつかないのですがね....
「怪異黒姫おろし」より 著者:江見水蔭
らぬ大胆不敵さ、しかも印籠盗みの罪を重ねて八十六とまでに数えるとは。 それには
遺伝性も有った。時代と境遇との悪感化も加わった。祖父は野武士の首領で、大田切小田....
「怪異暗闇祭」より 著者:江見水蔭
酒はすりの上前を跳ねて、酒を呑もうなんて、えらい奴もあったものだ。 こうして、
遺伝性で夜目の利く大竜院泰雲。奇蹟的に夜目の利く小机源八郎。練習の功で夜目の利く....
「江戸芸術論」より 著者:永井荷風
りきまた悲しみき。然れども幸ひにしてこの悲憤と絶望とはやがて余をして日本人古来の
遺伝性たる諦《あきら》めの無差別観に入《い》らしむる階梯《かいてい》となりぬ。見....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
要を知らしむ。かくのごとき経験、注意、数回相重なり数世相伝わり、風をなし俗をなし
遺伝性をなし、ついに人をして生まれながら窃盗・詐偽の念を去り、正直朴実ならしむる....