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遺作
「遺作〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
遺作の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「もの思う葦」より 著者:太宰治
。 かつて私は、書簡もなければ日記もない、詩十篇ぐらいに訳詩十篇ぐらいの、いい
遺作集を愛読したことがある。富永太郎というひとのものであるが、あの中の詩二篇、訳....
「斗南先生」より 著者:中島敦
。十年|経《た》つと、しかし、時勢も変り、個人も成長する。現在の三造には、伯父の
遺作を図書館に寄贈するのを躊躇する心理的理由が、もはや余りにも滑稽な羞恥としか映....
「亮の追憶」より 著者:寺田寅彦
てくれた学校当局は、さらに最後の光栄を尽くさしてくれた。親しかった人々は追悼会や
遺作展覧会を開いてくれ、またいろいろの余儀ない故障のために親戚のものだれ一人片付....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
。
お銀様のこしらえたのはスフィンクスです。
だが、古代|埃及《エジプト》の
遺作に暗示を得たのでもなければ、摸倣したのでもなく、或いはまた直接間接に、その材....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
さない。 お銀様のこしらえたのはスフィンクスです。だが、古代|埃及《エジプト》の
遺作に暗示を得たのでもなければ、模倣したのでもなく、或いはまた直接間接に、その材....
「肝臓先生」より 著者:坂口安吾
に遺書一首。 おみなごの身にしあれば怒りに果てむ 肝臓先生は負けたまはず その
遺作に山吹の花が添えてあった。花は咲けども実のらぬ悲しさを伝えたものであろうか。....
「ヤミ論語」より 著者:坂口安吾
ら。まして、情死などと、そんなことは、どうだっていいことである。 僕はまだ彼の
遺作を読んでいないから分らないが、今まで発表された小説の中では、スタコラサッチャ....
「美の日本的源泉」より 著者:高村光太郎
た精神至上の美と高さの美と、その表現に当っての節度の美とを前に述べた。此の白鳳の
遺作に加えて、もう一つ同時代の、しかも甚だしくその性格を異にする日本美の源泉とな....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
ましたが、明治四十五年七月二十九日五十一歳病気で歿したのは惜しいことをしました。
遺作としては大きさ二尺位の文殊の像がありましたけれども、学校の火事の時焼失しまし....
「ドモ又の死」より 著者:有島武郎
、おまえさんの誉れにもなるし沽券にもなる。ひとつおまえさんあれを一手に引き受けて
遺作展覧会をやる気はありませんか。そうしたら、九頭竜の野郎、それは耳よりなお話で....
「昔のことなど」より 著者:上村松園
て残っていないのは残念です。 楳嶺先生の一周忌でしたか三周忌でしたか、御苑内で
遺作と一緒に弟子孫弟子の作品を並べたことがありまして、そこに出された栖鳳先生の六....
「虹と感興」より 著者:上村松園
りして、とうとうまだ描けずにおります。 東京での帝展見物のついでに、物故作家の
遺作展を見てまいりましたが、婦女風俗としての絵は殆どなかったと思います。 中で....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
りではないのだ。 二十年前までは椿岳の旧廬たる梵雲庵の画房の戸棚の隅には椿岳の
遺作が薦縄搦げとなっていた。余り沢山あるので椽の下に投り込まれていたものもあった....
「解説」より 著者:原田義人
であり、遺言はいっさいの遺稿の破棄を要求したのであった。その遺志に反して、三長編
遺作をはじめとしていっさいの断片を整理刊行したのは、彼の親友であった作家マクス・....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
な点を現在知り得る最も確実な資料によって訂正増補された補遺を附してあって、殊に補
遺作成のための論考の中に多くの示唆を含んでいる。今日望みうる定家全歌集としてこれ....