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遺却
「遺却〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
遺却の前後の文節・文章を表示しています。該当する4件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「思い出す事など」より 著者:夏目漱石
て悪いだろうと調停してくれたので、余はようやく助かった。 その時余は三山君に、
遺却新詩無処尋。 ※然隔※対遥林。 斜陽満径照僧遠。 黄葉一村蔵寺深。 懸偈壁間....
「三四郎」より 著者:夏目漱石
予期しつつある今の場合を忘れて、この眸《ひとみ》とこの瞼《まぶた》の間にすべてを
遺却《いきゃく》した。すると、美禰子は言った。 「もう出ましょう」 眸と瞼の距....
「初冬の日記から」より 著者:寺田寅彦
証拠物件を提供するためにダンサーの指環を靴磨きに贈らせ、靴磨きの金鎚をその部屋に
遺却させる。彼等のアパートにおける目撃者としてアパートの掃除婦を役立たさせるため....
「罪人」より 著者:アルチバシェッフミハイル・ペトローヴィチ
を忘れたのを、思い出さなくてはならないような心持がする。 どうも自分はある物を
遺却している。それがある極まった事件なので、それが分かれば、万事が分かるのである....