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「遺命〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

遺命の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
ぬ。けれど融通の附かぬ事はない、余は僅かながら親譲りの財産が有る、其の財産は父の遺命で悉く金に替え、倫敦の銀行へ托し、利殖させて有る、其の額が今は一万ポンドの上....
李陵」より 著者:中島敦
とに気がついた。 十年前|臨終《りんじゅう》の床《とこ》で自分の手をとり泣いて遺命《いめい》した父の惻々《そくそく》たる言葉は、今なお耳底《じてい》にある。し....
斗南先生」より 著者:中島敦
である。羅振玉氏の序文にはまたいう。 「聞ク、君潔癖アリ。終身婦人ヲ近ヅケズ。遺命ニ、吾レ死スルノ後、速ヤカニ火化ヲ行ヒ骨灰ヲ太平洋ニ散ゼヨ。マサニ鬼雄トナツ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
からないが、あの高燈籠こそは、寛永の昔|成瀬隼人正《なるせはやとのしょう》が父の遺命によって建立の永代「浜の常夜燈」。滄海《そうかい》のあなたに出船入船のすべて....
赤格子九郎右衛門」より 著者:国枝史郎
ほどの、大貿易商であり武人である所の――島井宗室は病歿した。享年七十七であった。遺命を受けた九郎右衛門が、宗室の次子を家督に据え、二代目宗室の命に依って、南洋の....
増上寺物語」より 著者:佐藤垢石
幕府当局が新たに方針を定めた財政上の大緊縮政策によったためであろう。吉宗は、生前遺命して自分の霊を上野の五代廟に合祀させたのであった。その後の各将軍の霊は、芝ま....
三国志」より 著者:吉川英治
、祈念久しゅうして、生ける人にいうが如く烈々訴えた。 「不肖、先帝より孤を託すの遺命をうけ、後主の詔を奉じていまここに来り、はからずも祖業の跡を踏み、将軍の偉魂....
三国志」より 著者:吉川英治
あやかり給うてよく輔弼の善言を聞き、民を慈しみ給い、社稷をお守りあって、先帝のご遺命を完う遊ばさるるよう伏しておねがい致しまする。――臣は、遠き戦陣におりまして....
私本太平記」より 著者:吉川英治
ませぬ。……可惜、二度ない青春も、お気ままには振舞えず、その上、御先祖のむごい御遺命まで負わせ給うて、人知れずのお悩みなどは……、まさに名門のお子の悲哀さという....