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「遺品〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

遺品の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
東海道五十三次」より 著者:岡本かの子
流行し、娘たちはハイカラ髷《まげ》という洋髪を結《ゆ》っている時代で虫食いの図書遺品を漁《あさ》るというのはよくよく向きの変った青年に違いなかった。けれども父は....
地球発狂事件」より 著者:海野十三
って纜《ともづな》を締め、その夜を大警戒裡にそこで明かすこととなった。 D十五号遺品 その夜のうちに、大急行で潜水の準備がなされた。取揃えられた深海用の潜水服....
雪の白峰」より 著者:小島烏水
ず、また決して鶏とは見えず、首長きところよりも紛《まご》う方なき水鳥に候、埴輪の遺品に同じ形の鳥と見給うべし、水掻きまであり、高さここより見て、一間も候べきか、....
壊れたバリコン」より 著者:海野十三
まま、地下に眠ってしまったのです。そして其の時にY――が私に残して行った不気味な遺品が、この壊れたバリコンでして、勿論彼の話の中に出て来る一つの証拠物とも言うべ....
恐怖の口笛」より 著者:海野十三
、やがて、その歌の中の恐ろしい暗示に富んだ歌詞に突き当った。 「……別れの冬木立遺品にちょうだいな あなたの心臓を ええ―― あたしは吸血鬼…....
海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
ス 一、我等ノ遺骸ハ其ノ儘御埋メ捨テヲ乞フ、竹陵ノ眠ヲ覚マシ給フ勿レ、合掌 一、遺品等ノ処置ハ御面倒乍ラ左記親族或ハ知人ノ誰方カノ手ニテ然ルベク御処分相成度 ....
海底大陸」より 著者:海野十三
年のそばによって、かいほうをくわえた。この少年こそは、クイーン・メリー号の唯一の遺品でもあり、ただひとりの手がらびとであるかも知れないのだ。汽船の上にすくいあげ....
後光殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
それは朔郎の室に適わしくない豪華な大時計で、昨年故国に去った美校教授ジューベ氏の遺品だった。然し正確な時刻は、格子窓の上にある時計の零時三十二分で、その時計には....
絶景万国博覧会」より 著者:小栗虫太郎
のだ。と云うのは、鳥渡因果|噺めくけれども、お筆が全盛のころおい通い詰めた人達の遺品を――勿論その中には彼女のために家蔵を傾け、或は、非業の末路に終った者もあっ....
潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
貴方が拿捕された『室戸丸』の船長から――それが現在私の夫ではございますが、貴方の遺品を贈るという旨を申しでてまいりました。それがそもそも、いまの生活に入る原因と....
人魚謎お岩殺し」より 著者:小栗虫太郎
、今年になって、はしなくもその孤島にまつわる、秘密が曝露されたと云うのは、教授の遺品として、一通の文書と油絵とが送られて来たからだった。 作者は、次行にその全....
安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
保身だけだ。他日幕府によって取りこわされ発掘されるかも知れない切支丹の墓に遺骨や遺品の一部でも渡すようなことが万々あろうとは考えられないのである。 政宗の支倉....
安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
す。この庵室は鎌倉時代の建築で、後ダイゴ帝の泊った時のままのものだ。後ダイゴ帝の遺品には楽器が多いや。御岳丸笙、国軸丸笙という笙があったし、七文字笛、高麗笛とい....
エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
女王はロオペ博士未亡人に慈愛をそそいだ。公権喪失を宣せられた故人ではあるが、その遺品、動産のたぐいは、すべて未亡人に下げ与えられた。――しかしただ一つだけ、例外....
五重塔」より 著者:幸田露伴
規尺の取りよう余さず洩らさず記せしもあり、中には我のせしならで家に秘めたる先祖の遺品、外へは出せぬ絵図もあり、京都やら奈良の堂塔を写しとりたるものもあり、これら....