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遺孤
「遺孤〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
遺孤の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「ああ玉杯に花うけて」より 著者:佐藤紅緑
ずして自己の利害のみを主としたからです、豊臣が諸侯を征した。家康が旧恩ある太閤の
遺孤を滅ぼして政権を私した、そうして皇室の大権をぬすむこと三百余年、清盛にしろ頼....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
父とも、主とも頼みきった同郷の先輩豊太閤歿後の大破局の到来を眼前に見ながら、その
遺孤を擁《よう》して、日の出の勢いの徳川の息子のために、自ら進んでその天守閣を一....
「松井須磨子」より 著者:長谷川時雨
が適当の処分をし、よく斡旋《あっせん》したからとて、抱月氏の死後、彼女が未亡人や
遺孤《いこ》に対して七千円を分割し、買入れた墓地まで、心よく島村家の人たちに渡し....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
でもあるし、彼の江戸建設は思いきって大規模で急速だった。 それに反して、太閤の
遺孤秀頼を擁する大坂城では、戦争に次ぐ戦争の再軍備にせわしかった。将星はみな謀議....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
加勢、徳川方と旗幟はすでに鮮明でおざるし――また、其許におかれては、故太閤さまの
遺孤秀頼|君が、唯一の味方とお頼みの人とは世上にかくれもないことよ。……最前もふ....
「三国志」より 著者:吉川英治
ばならぬ理由もない国です」 「とは、なぜか」 「荊州の主、劉表は死なれた。しかし
遺孤の劉※とは、もとこれ同宗の家系、叔父甥のあいだがら、それを扶けて、この国を復....
「三国志」より 著者:吉川英治
ぶべく、これから先を後三国志といってもよかろうと思う。「後三国志」こそは、玄徳の
遺孤を奉じて、五丈原頭に倒れる日まで忠涙義血に生涯した諸葛孔明が中心となるもので....
「三国志」より 著者:吉川英治
公にならい、その分を守り、自らの非を改め、徳を積み功を治世に計らぬか。――ご辺が
遺孤を守る忠節は、これを諒とし、これを賞めるに吝かでないが、依然、武力を行使し、....
「三国志」より 著者:吉川英治
孔明の生涯とその忠誠の道は、まさにこの日から彼の真面目に入ったものといっていい。
遺孤の寄託、大業の達成。――寝ても醒めても「先帝の遺詔」にこたえんとする権化のす....