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遺恨
「遺恨〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
遺恨の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
の方《かた》と大殿様との間に御生まれなすったので、父君の御隠れなすったのも、恋の
遺恨《いこん》で大殿様が毒害遊ばしたのだなどと申す輩《やから》も出て来るのでござ....
「おぎん」より 著者:芥川竜之介
彼等を憎んだと云う。これは折角《せっかく》の火炙《ひあぶ》りも何も、見そこなった
遺恨《いこん》だったかも知れない。さらにまた伝うる所によれば、悪魔はその時大歓喜....
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
で散々|撲《なぐ》られたのだそうです。すると、米屋の丁稚《でっち》が一人、それを
遺恨に思って、暮方《くれがた》その職人の外へ出る所を待伏せて、いきなり鉤《かぎ》....
「猿蟹合戦」より 著者:芥川竜之介
よると、その代議士は数年以前、動物園を見物中、猿に尿《いばり》をかけられたことを
遺恨《いこん》に思っていたそうである。
お伽噺《とぎばなし》しか知らない読者は....
「藪の中」より 著者:芥川竜之介
の武弘、年は二十六歳でございました。いえ、優しい気立《きだて》でございますから、
遺恨《いこん》なぞ受ける筈はございません。
娘でございますか? 娘の名は真砂《....
「籠釣瓶」より 著者:岡本綺堂
衛門を驚かしたのは、そのころ折りおりに行なわれる辻斬りであった。意趣《いしゅ》も
遺恨《いこん》もない通りがかりの人間を斬り倒して、刀の斬れ味を試すという乱暴な侍....
「白蛇の死」より 著者:海野十三
は笑っていたのだ。若しお由の死から国太郎との秘密が知れたが最後、深い中年者の恋の
遺恨で、どんな惨忍な復讐が加えられることであろう。 生きた心地も無いこの哀れな....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
、むなしく帰る途中であったのか、それらのことはやはり判りません。とにかくに意趣も
遺恨もない人間を七人までも斬ったと云うのは、考えてもおそろしい事です。気が狂った....
「革鞄の怪」より 著者:泉鏡花
いたいのです。 余り唐突な狼藉ですから、何かその縁組について、私のために、意趣
遺恨でもお受けになるような前事が有るかとお思われになっては、なおこの上にも身の置....
「慈悲心鳥」より 著者:岡本綺堂
、彼の父は実業家とはいえ、金貸を本業として巨万の富を作りたる人物なれば、なにかの
遺恨にて復讐の手をその子の上に加えしならんという説。第二は小せんの情夫にて、かれ....
「怪異暗闇祭」より 著者:江見水蔭
た。 「なれども、六人が六人とも切られたところに疑いがござる。こりゃ長沼の道場に
遺恨のある者が、六人を見掛けて致したのではござるまいか」という。この説、はなはだ....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
へころりと落ちたでさ――兇状持には心から惚れて、」 と密と言って厭な顔色、ちと
遺恨があるらしい。 「(愛吉さん、詰らないもんですが、) なんてやがって、手拭....
「迷信解」より 著者:井上円了
されど、あえて精神病に限るにあらず、大病、重患にかかるときに、平素多少己に対して
遺恨を有するものあれば、その霊魂が乗り移りて己を悩ますようになると信じておる。こ....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
仕事といふ意気込で取掛けたれども右の次第にてこれもまた駄目となりたり、ああ心中の
遺恨誰に向つて訴へん、この上は最早退隠の外なし、小説でも書いて一生を送るべく候、....
「西航日録」より 著者:井上円了
事件を想起し、感慨のあまり、左の七絶をつづる。 講堂一夜為風頽、再築功成復化灰、
遺恨禍源猶未尽、天災漸去又人災。 (講堂は一夜にして風のために倒壊し、再び築いて....