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「遺筆〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

遺筆の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
夜明け前」より 著者:島崎藤村
も破損と散乱との憂いがあるから、後の子孫のために一巻の軸とすると書き添えた先祖の遺筆も出て来た。 「これはお前の方へ渡す。」 父は半蔵の方で言おうとすることを....
」より 著者:島崎藤村
と昔の生家を思出させるような物は殆んどお種の眼に映らない。唯、奥の方の壁に、父の遺筆が紙表具の軸に成って掛っている。そこには、未だそれでも忠寛の精神が残っていて....
」より 著者:島崎藤村
に置いた。 「これは三吉の方へ遣って置こう」 と保管を托するように言った。父の遺筆である。忠寛を記念するものは次第に散って了った。この古い箱一つ残った。 「ど....
斗南先生」より 著者:中島敦
鯱《さかまた》か何かに成って敵の軍艦を喰ってやるぞ、といった意味の和歌が、確か、遺筆として与えられたはずだったことを彼は思出し、家中捜し廻って、ようやくそれを見....
植物一日一題」より 著者:牧野富太郎
を指したものだ。 およそ二百五十年前の嘉永三年(1850)に上梓せられた『桃洞遺筆《とうどういひつ》』第二輯に三度栗の記事があって次の通り書いてある。すなわち....
三国志」より 著者:吉川英治
言して逝った――あの錦の嚢であった。 嚢の中には一書が納められてあった。孔明の遺筆たるはいうまでもない。封の表には、 ――魏延、叛を現わし、その逆を伐つ日ま....