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遺言
「遺言〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
遺言の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「河童」より 著者:芥川竜之介
歩み寄ると、怒鳴《どな》りつけるようにマッグに話しかけました。
「それはトックの
遺言状《ゆいごんじょう》ですか?」
「いや、最後に書いていた詩です。」
「詩?」....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
律はそう云ったぎり、何とも後《あと》を続けなかった。洋一はそろそろ不安になった。
遺言《ゆいごん》、――と云う考えも頭へ来た。
「浅川の叔母さんはまだいるでしょう....
「或る女」より 著者:有島武郎
うに宣告してしまったのです。わたしが一口でもいおうとすれば、五十川のいうには母の
遺言ですって。死人に口なし。ほんとに木村はあなたがおっしゃったような人間ね。仙台....
「小さき者へ」より 著者:有島武郎
到した。死が総《すべ》てを圧倒した。そして死が総てを救った。
お前たちの母上の
遺言書の中で一番崇高な部分はお前たちに与えられた一節だった。若《も》しこの書き物....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
よ。お嬢さんに差上げて、そして私も食べたいから、」 とただ言うのさえ病人だけ、
遺言のように果敢なく聞えた。 「ああ、そんならそうおしな。どれ、大急ぎで、いいつ....
「夜叉ヶ池」より 著者:泉鏡花
合って鐘を撞こうと言わない。第一、しかじかであるからと、爺に聞いた伝説を、先祖の
遺言のように厳に言って聞かせると、村のものは哄と笑う。……若いものは無理もない。....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
れば無上の本懐、君その素志を他に求めて、疾くこの恐しき魔所を遁れられよ。) と
遺言する。これぞ、われらの誂じゃ。 蚊帳の中で、少年の魘されたは、この夢を見た....
「白金之絵図」より 著者:泉鏡花
小児たちは笑いませぬに。なあ、―― 最早、生効も無いと存じながら、死んだ女房の
遺言でも止められぬ河豚を食べても死ねませぬは、更に一度、来月はじめの舞台が有って....
「神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
いまわの際まで、血統が絶える、田沢の家を、田沢の家をと、せめて後を絶さないように
遺言をしたんです。 私はその時分、新橋でお酌に出ておりました。十四や十五の考え....
「琵琶伝」より 著者:泉鏡花
変替相成らず候あわれ犠牲となりて拙者の名のために彼の人に身を任せ申さるべく、斯の
遺言を認め候時の拙者が心中の苦痛を以て、御身に謝罪いたし候 月 日清....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
分の信用を失うてまで、人の忌嫌う我児を愛育した先生に滝太郎の手から託さするように
遺言して、(私が亡くなった後で、もしも富山からだといって人が尋ねて来たら、この手....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
ないで、それだけの身上がまるで0。気ばかりあせっていなさる中に旦那が大病、その御
遺言でさ、夏に我儘をさせ過ぎた。行末が案じられる、盆画なんぞ止にして手習をしてく....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
の火事の中でも、両親で子の大事がる雛だけ助けたほど我ままをさした娘に、いい遺した
遺言とかで、不思議に手習をする、清書草紙に、人知れず、医学士(山の井光起)の名を....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
です。」 「堅法華、それで頑固や。」 「いや、いやそんな事より、なくなった母親の
遺言です、灸は……」 「その癖、すえられなさる様な事が沢山あるやろ、は、は、は。....
「活人形」より 著者:泉鏡花
財産を挙げて娘の所有となし、姉の下枝に我を娶わせ後日家を譲るよう、叔母はくれぐれ
遺言せしが、我等の年紀の少かりければ、得三は旧のまま一家を支配して、己が随意にぞ....