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「遺言書〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

遺言書の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
小さき者へ」より 著者:有島武郎
到した。死が総《すべ》てを圧倒した。そして死が総てを救った。 お前たちの母上の遺言書の中で一番崇高な部分はお前たちに与えられた一節だった。若《も》しこの書き物....
乞食学生」より 著者:太宰治
時、わが胸は、張り裂けるばかりの思いがする!」と、地団駄《じだんだ》踏んで、その遺言書に記してあったようだが、私も、いまは、その痛切な嘆きには一も二も無く共鳴し....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
たくらみ、六歳《むとせ》まえにそのときご病身の主人権之丞様を毒殺いたし、みずから遺言書をこしらえつくって、養子の内約あったごとくに装い、りっぱなお血筋の江戸錦様....
鉄鎚」より 著者:夢野久作
その薬を頒《わ》けておくれよ……僕の財産の全部は内縁の妻伊奈子に譲る……っていう遺言書を書いといたら文句はないだろう……」 彼女はみるみる唇の色まで白くした。....
幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
て此の家を去った日の未だ暮れぬうち、余の叔父は兼ねて言って居た通り法律家を呼んで遺言書を作り、余と秀子とを丸部家の相続人に定め、余には未だ言い渡さぬけれど秀子に....
仇討禁止令」より 著者:菊池寛
。余の死に依りて、讐は消えたらん、御身を妻と呼ぶことを許せよ。余は、上官に対する遺言書に、御身を妻と申告し置きたれば、余の所持金及び官よりの下賜金は凡て、御身の....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
然となってしまったが、すぐに指を繰ってみて、「たぶん手続が遅れているのは、算哲の遺言書でもあるからだろうが、剰すところもう、法定期限は二ヶ月しかない。それが切れ....
浴槽の花嫁」より 著者:牧逸馬
式」として、ヘンリイがまず自己の所有のすべてを妻ベシイに遺《のこ》す旨《むね》の遺言書を作製して署名した。ベシイは一通同じ意味の遺言を調《ととの》えて、型どおり....
暗黒公使」より 著者:夢野久作
せて、ほっと一つ溜息をすると、如何にも淋しそうに声を落した。 「……僕は……父の遺言書を……見付け出したのです」 私はポケットから取り出しかけた敷島の一本をぽ....
戦場」より 著者:夢野久作
ね」 「……でしょう……ですから僕は、僕の財産の一切を妻のイッポリタに譲るという遺言書と一緒に、色々な証書や、家に伝わった宝石や何かの全部を詰め込んだ金庫の鍵を....
怪談牡丹灯籠」より 著者:三遊亭円朝
りて、若し子供が出来たなら、男女に拘らず其の子を以て家督と致し家の再興を頼むと御遺言書にありましたが、事によると殿様の生れ変りかも知れません」 相「おゝ至極左様....
ジーキル博士とハイド氏の怪事件」より 著者:佐々木直次郎
分の事務室へ入って行った。そこで金庫を開けて、その一番奥から、封筒にジーキル博士遺言書と書いてある書類を取り出すと、眉をくもらせながら腰を下ろしてその内容を熟読....
作男・ゴーの名誉」より 著者:チェスタートンギルバート・キース
を求めた今様ディオゲネスで、遂にその一人を求め得たのだというた。彼は新たに一枚の遺言書を書いた、それはわしも見せてもろうたが。彼はその律儀な若者を巨大な人気のな....
あなたも私も」より 著者:久生十蘭
決心した」 「むかしから、そういうエコジなひとなの」 「日本の相続法では、どんな遺言書を書いても、遺産は、一応、長女であるあなたのところへ行く……サト子さんが訴....
冒した者」より 著者:三好十郎
舟木 いや私のは権利と言うよりも、非公式な、ここの元の主人の手紙だとか何とか、遺言書ではないから、表面上の効力は無いだろう。しかし実質的には、一番強い権利があ....