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遺骨
「遺骨〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
遺骨の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「三人の双生児」より 著者:海野十三
経ったのちのことだった。 真一の屍体は納棺して密かに火葬場へ送って焼いた。その
遺骨はお寺へ預けてしまった。ささやかなる初七日の法要もすんで、やっと妾は以前の気....
「食魔」より 著者:岡本かの子
いう返事なので鼈四郎は、主に立って取仕切り野辺の煙りにしたことであった。 その
遺骨を携えて鼈四郎は東京に出て来た。東京生れの檜垣の主人はもはや無縁同様にはなっ....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
肉もない、血も流れていない。ただそのそばに残っていた靴の一足によって、それが張の
遺骨であることを知り得たに過ぎなかった。 こうしてみると、それが普通の賊の仕業....
「青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
はいかなかった。 旅先のことであるから、家来どもは主人のなきがらを火葬にして、
遺骨を国許へ持ち帰ると言っていた。平助は近所の寺へまいって、かの座頭の墓にあき草....
「戦話」より 著者:岩野泡鳴
たんや。一月の十二三日に収容せられ、生死不明者等はそこで初めて戦死と認定せられ、
遺骨が皆本国の聨隊に着したんは、三月十五日頃であったんや。死後八カ月を過ぎて葬式....
「灯明之巻」より 著者:泉鏡花
に再び川越に転封され、そのまま幕末に遭遇した、流転の間に落ちこぼれた一藩の人々の
遺骨、残骸が、草に倒れているのである。 心ばかりの手向をしよう。 不了簡な、....
「探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
るまでもありますまい。三津子さんのむごたらしい死骸は火葬にして、わたくし共はその
遺骨を護って東京へ帰りました。 関井さんは千葉県へゆくのを止めて、すぐに辞職し....
「五色蟹」より 著者:岡本綺堂
、東京から亀江の親戚がその屍体を引き取りに来た。屍体はすぐに火葬に付して、遺髪と
遺骨とを持って帰るとのことであった。その翌日、元子は
遺骨を送って東京へ帰った。柳....
「かたき討雑感」より 著者:岡本綺堂
ので、その弟からかたき討のねがいを差出したが、やはり許可されなかった。ただし兄の
遺骨をたずさえて帰国することを許された。内藤家の藩地は日向の延岡であるが、その帰....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
直下の熱風に吹かれつつ荼毘に委したは誠に一代のヒーローに似合わしい終焉であった。
遺骨が新橋に帰着したは五月三十日で、越えて三日葬儀は染井墓地の信照庵に営まれた。....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
ヤソ教者を埋葬せし所あり。これをカタコムという。その中にはローマ時代の高僧大徳の
遺骨もあり、罪人悪徒の
遺骨もあれども、今日にありてはその
遺骨を弁別することあたわ....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
なんらの装飾なく、自然に同翁の性格を示すもののごとし。翁の遺言により火葬に付し、
遺骨をここにうずむという。所感の詩二首あり。 墓門一過路三旋、尋到。 (墓門をす....
「金山揷話」より 著者:大鹿卓
がて窓硝子に、英霊と書いた黒枠の紙が貼りつけられた。いずれ此処の聯隊で受けとった
遺骨を護りつつ、さらに奥地の開墾地へとかえってゆく人々にちがいなかった。黒紋付か....
「鉄の処女」より 著者:大倉燁子
らまだあきらめもつくが、と歎いた手紙をよこしました。私はちょっと痛快でした。早速
遺骨になりと逢いたい。弟が自身で受取りに行くと申してきかない、などという音信があ....
「情鬼」より 著者:大倉燁子
貴公子らしい風采とはいつまでも眼に残った。何んて奇麗な男だろう。 小田切大使の
遺骨は黒い布に覆われて、ガラス戸棚の中段に安置されていた。その前には黒いリボンを....