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遼遠
「遼遠〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
遼遠の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「放浪」より 著者:織田作之助
った。木下は、四十にはまだ大分間があるというものの、髪の毛も薄く、弁護士には前途
遼遠だった。性根を入れていないから、板場の腕もたいしたものにならず、実は何かとい....
「草枕」より 著者:夏目漱石
つ、戻りつ蒼然《そうぜん》たる夕べのなかにつつまれて、幽闃《ゆうげき》のあなた、
遼遠《りょうえん》のかしこへ一分ごとに消えて去る。燦《きら》めき渡る春の星の、暁....
「運命」より 著者:幸田露伴
るの危に居れり。孤軍長駆して深く敵地に入り、腹背左右、皆我が友たらざる也、北平は
遼遠にして、而も本拠の四囲|亦皆敵たる也。燕の軍戦って克てば則ち可、克たずんば自....
「物質群として見た動物群」より 著者:寺田寅彦
問題外であるが、研究者のほうではそれほど大胆な意図はもちろんあるはずはない。ただ
遼遠な前途への第一歩を踏み出そうとする努力の現われに過ぎないのである。しかしこの....
「三斜晶系」より 著者:寺田寅彦
中に横車を押そうとするもののあることである。 人類を幸福に世界を平和に導く道は
遼遠である、そこに到達する前にまずわれわれは手近なとんぼの習性の研究から完了して....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
に分離せんとしたわれらは再びここに哲学的に結合しようではないか。哲学の将来はなお
遼遠である。ともに思索し、研究し、充実せる生を開拓しよう。この頃私は「生きんがた....
「獄中消息」より 著者:大杉栄
ア語は、文法を三十五ページばかり読んだ。全部で四百ページ余あるのだから、まだ前途
遼遠だ。午後は、ドウィッチェの『神愁鬼哭』と、早稲田の『日本古代史』とを読んでい....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
反歌の此一首は、おまえは青雲の志を抱いて、天へも昇るつもりだろうが、天への道は
遼遠だ、それよりも、普通並に、素直に家に帰って、家業に従事しなさい、というのであ....
「貞操問答」より 著者:菊池寛
ないところなど好きであったが、しかし結婚すべき良人としての美沢を考えると、前途は
遼遠としていた。 どちらかに、馬車馬のように猛進する情熱のない限り、金のないイ....
「一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
の生活を裕かにするようにと努めているが、これでよしと安心の出来るにはまだまだ前途
遼遠である。だいたい私が諸君に対する待遇の根幹とするところを述べて見ると、 一、....
「虫喰い算大会」より 著者:海野十三
0 こうしてやっと七八つの穴は解いたが、のこりの穴は三十二ホールだ。前途
遼遠の感を深うする。 さて、元気を出して次に掛る。 二段目の除数の十位の数字....
「道なき道」より 著者:織田作之助
したが、やがて急にきっとした顔になると、 「――日本一のヴァイオリン弾き! 前途
遼遠だ。今夜大阪へ帰ったらすぐ稽古をはじめよう」 無心に富士を仰いでいる寿子の....
「岩波文庫論」より 著者:岩波茂雄
点に達しない。レクラム文庫が三代にわたり一万に近い点数を刊行するに対し、前途なお
遼遠といわねばならぬ。幸いに志業ようやくその緒につくことが出来たのは、大方読者諸....
「放浪」より 著者:織田作之助
った。木下は、四十には未だ大分間があるというものゝ、髪の毛も薄く、弁護士には前途
遼遠だった。性根を入れていないから、板場の腕もたいしたものにはならず、実は何かと....
「早稲田神楽坂」より 著者:加能作次郎
風でね。』と私がいった。 『第二の神楽坂が出来るわけかね。』 『アッハハハ前途|
遼遠だね。電車が通るようにでもなったら、また幾らか開けても来ようけれど何しろまだ....