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「避寒〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

避寒の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
明暗」より 著者:夏目漱石
敷く余地を拵《こしら》えてくれた。 「今日は空《す》いてて結構です」 爺さんは避寒避暑二様の意味で、暮から正月へかけて、それから七八|二月《ふたつき》に渉《わ....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
の下には桂川の水の音がきこえる。わたしは桜の咲く四月の頃にここへ来たいと思った。避寒の客が相当にあるとは云っても、正月ももう末に近いこの頃は修善寺の町も静かで、....
獄中生活」より 著者:堺利彦
りとて常に襤褸をまとい、或はそれすらもまとい得ざるものより見れば、実にありがたき避寒所といわねばならぬ。食物も悪いには相違ないが、塵だめをあさる人間あることを思....
楢重雑筆」より 著者:小出楢重
くのカーニュにいた時です、ここはルノアール翁の別荘があって、地中海に面した暖かい避寒地で日本の画家達も冬になると、よく集まってくる土地です。当時も正宗氏や硲君も....
百姓弥之助の話」より 著者:中里介山
なってからは町全体が昔の様な潤《うるお》いが欠けてしまった感じがする。 しかし避寒を兼ねての東京へ一番近い養生地と云えばこの地に越した所はないので弥之助は冬は....
探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
の土地へ転勤することになりました。今度は千葉県の暖いところですから、寒くなったら避寒かたがた是非お遊びにお出でください。三津子もしきりに申しておりました。」 ....
或る作家の厄日」より 著者:豊島与志雄
後、主人の任地へも行ったことがなく、いつも東京の邸宅に暮していたらしく、避暑とか避寒とかの旅もしない。おれのところへ飛び込んで来るなどということは、旅行以上の冒....
レーリー卿(Lord Rayleigh)」より 著者:寺田寅彦
い気がする。 一八七七年の春はマデイラへの航海をした。昔夫人の父が肺病でここに避寒に行って亡くなったのである。その時の乗船にケルヴィンの羅針盤が三台備えてあっ....
鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
もあります。人目に附くような容体におなりだったのでしょう。年末には大臣は国府津に避寒に行かれたようです。 翌四十五年の一月五日の新年宴会に賜餐がありました。そ....
ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
願、タヌキ菩薩もあわれと思召《おぼしめ》し給いけむ二月上旬のとある天気晴朗の朝、避寒ならびにコン吉の脳神経に栄養を与えるため、地中海沿岸の遊楽地へ向けて再度出発....
春の修善寺」より 著者:岡本綺堂
の下には桂川の水の音がきこえる。わたしは桜の咲く四月の頃にここへ来たいと思った。避寒の客が相当にあるとはいっても、正月ももう末に近いこの頃は修善寺の町も静で、宿....
西航日録」より 著者:井上円了
のである。) へースティングズはわが国の熱海に比すべき地にして、ロンドン人士の避寒および養病のために輻湊する所なり。 背山面海望悠悠、月色潮声入客楼、遥認波間....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
海上にあり。寒暖は八十五度くらいにして、リスボンほどに暑きを感ぜず。欧州人の避暑避寒に来遊する所なり。山上には樹木なく、平地には熱帯植物の道路にそいて樹立するを....
気まぐれの人形師」より 著者:小川未明
ある日のこと、一人の娘は、その町の中を、あちらこちらと歩いていました。しばらく避寒に、こちらへやってきていたのですけれど、あまり日数もたちましたので、お父さん....
彼が殺したか」より 著者:浜尾四郎
にぎや》かなK町の或る別荘で恐ろしい惨劇が行われました。一体K町は昔から海水浴や避寒地として有名であるのみならず、近頃は上流中流の人々の住居なども出来て頗《すこ....