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避難民
「避難民〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
避難民の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「水の三日」より 著者:芥川竜之介
を加えて、ふたたび福引を行った。そうしてそれをおわったのはちょうど正午であった。
避難民諸君は、もうそろそろ帰りはじめる。中にはていねいにお礼を言いに来る人さえあ....
「第五氷河期」より 著者:海野十三
わり、自動車に、電池式の受信機と高声器をつんだ移動ラジオが、すこぶる活躍をして、
避難民や、火事場で活動している市民たちへ、ニュースを送った。 そのニュースの中....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
が抉りとっていった大孔の底に転がりおとされたりして、車も人も、滅茶滅茶になった。
避難民の頭上には、姿は見えないが、絶えず、飛行機のプロペラの唸りがあった。叩きつ....
「わが町」より 著者:織田作之助
、そして道なき山を分け進んだが、もとより旅館はなく日が暮れると、ごろりと野宿して
避難民めいた。 鍋釜が無いゆえ、飯は炊けず、持って来たパンはおおかた蟻に食い荒....
「武装せる市街」より 著者:黒島伝治
た有様や、両耳を斬られた女の屍体、腹に石を詰められた男の屍体、それを、兵士達や、
避難民や、内地の大衆に知らしてやる必要があった。そのことを考えた。世界中に知らし....
「今昔ばなし抱合兵団」より 著者:海野十三
ぐ間もなく、爆裂音が続いた。壕の天井や壁から、ばらばらと土が落ちて、戦き犇きあう
避難民衆の頭の上に降った。あっちからもこっちからも、黄色い悲鳴があがる。 中に....
「英本土上陸作戦の前夜」より 著者:海野十三
どうにも腑に落ちないのは、あのものものしい騒ぎの一件だよ。われわれフランスからの
避難民を、イギリスの奴等は、いやに犯罪人あつかいするじゃないか。フランスは、あん....
「空襲下の日本」より 著者:海野十三
ある。 新宿の大通りには、刻々に群衆が増して行った。皆、他区から押しよせて来た
避難民たちだった。 「お婆さん、どこから来たんです」 在郷軍人が提灯の薄あかり....
「空襲警報」より 著者:海野十三
てきた。――ああ、いましも正坊を抱いた姉が駈け出したばかりのその道路の上に……。
避難民 どこをどう逃げてきたか、よくわからなかった。とにかく気のついたときには....
「棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
にはみ出すのであった。それでも女はたいへん喜んで、すぐ横になった。 ところが、
避難民が、あとからあとへと入ってくるのであった。だから始めは離れていたお千との距....
「灰色の記憶」より 著者:久坂葉子
のだとは思えないでいた。そして感傷にひたっている余裕さえなかった。道路には大勢の
避難民が、ぞろぞろ歩いていた。私達も何処へという目的もなく歩き出した。何時間かた....
「白痴」より 著者:坂口安吾
もないザアザアという無気味な音が無限に連続しているのだが、それが府道を流れている
避難民達の一かたまりの跫音なのだ。高射砲の音などはもう間が抜けて、跫音の流れの中....
「青鬼の褌を洗う女」より 著者:坂口安吾
いたのだ。 全くサンタンたる景色であった。焼け残った国民学校は階上階下階段まで
避難民がごろごろして、誰の布団もかまわず平気で持ってきてごろごろ寝ている男達、人....
「わが町」より 著者:織田作之助
みこみ、山を分けはじめるのだが、もとより旅館はなく、日が暮れるとごろりと野宿して
避難民めいた。鍋釜が無いゆえ、飯は炊けず、持って来たパンは大方蟻に食い荒されて、....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
が乱暴するので縊死するもの、井戸に投じ、焼死するものが続出し、そうした区域からの
避難民は争って日本軍駐屯の北城区域へ避難して来た。こうした
避難民のため、その当時....