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邂
「邂〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
邂の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「河童」より 著者:芥川竜之介
なお名声を欲するや?
答 少なくとも予《よ》は欲せざるあたわず。しかれども予の
邂逅《かいこう》したる日本の一詩人のごときは死後の名声を軽蔑《けいべつ》しいたり....
「さまよえる猶太人」より 著者:芥川竜之介
猶太人」は、平戸《ひらど》から九州の本土へ渡る船の中で、フランシス・ザヴィエルと
邂逅《かいこう》した。その時、ザヴィエルは、「シメオン伊留満《いるまん》一人を御....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
何かの手紙が来たきりでぱったり消息が途絶えてしまった。岩内から来たという人などに
邂うと、私はよくその港にこういう名前の青年はいないか、その人を知らないかなぞと尋....
「蠅男」より 著者:海野十三
獣か? 蠅男の正体が、白日下に曝されるのは何時の日であろうか。 意外なる
邂逅 有馬温泉の駐在所における何時聞かの前後不覚の睡眠に帆村もすこしく元気を回....
「鶴は病みき」より 著者:岡本かの子
梅と麻川荘之介氏が、何故葉子の心のなかで相関聯しているのか、麻川氏と葉子の最後の
邂逅が、葉子が熱海へ梅を観に行った途上であった為めか、あるいは、麻川氏の秀麗な痩....
「取舵」より 著者:泉鏡花
理窟はすこしもない。盲人が船に乗るくらいは別に驚くことはないよ。僕は盲目の船頭に
邂逅したことがある。」 その友は渠の背に一撃を吃して、 「吹くぜ、お株だ!」 ....
「八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
が滸我へ発足する前晩|浜路が忍んで来る一節や、荒芽山の音音の隠れ家に道節と荘介が
邂逅する一条や、返璧の里に雛衣が去られた夫を怨ずる一章は一言一句を剰さず暗記した....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
て葵の時服を拝領してからの或時、この御紋服を着て馬上で町内へ乗込むと偶然町名主に
邂逅した。その頃はマダ葵の御紋の御威光が素晴らしい時だったから、町名主は御紋服を....
「鴎外博士の追憶」より 著者:内田魯庵
の間柄だから格別だが、なるほど十二時を打ってからノソノソやって来られたのに数回|
邂逅った。 こんな塩梅で、その頃鴎外の処へ出掛けたのは大抵九時から十時、帰るの....
「三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
故した細川風谷の親父の統計院幹事の細川広世が死んだ時、九段の坂上で偶然その葬列に
邂逅わした。その頃はマダ合乗俥というものがあったが、沼南は夫人と共に一つ俥に同乗....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
逍遥とも音信を絶していたが、丁度その頃より少し以前、逍遥と二葉亭とは偶然私の家で
邂逅して久闊を叙し、それから再び往来するようになっていた。その頃『早稲田文学』を....
「四十年前」より 著者:内田魯庵
たりは右も左も洋風の家屋や庭園を連接し、瀟洒な洋装をした貴婦人の二人や三人に必ず
邂逅ったもんだ。ダアクの操り人形然と妙な内鰐の足どりでシャナリシャナリと蓮歩を運....
「西航日録」より 著者:井上円了
社汽船神奈川丸に接す。海外万里の外にありて国旗を掲ぐる船を見るは、あたかも旧友に
邂逅するがごとき感あり。ことに余が先年洋行のときには、ホンコン以西に日本船の影だ....
「金山揷話」より 著者:大鹿卓
る。いま土田が云いだした森山とは私も一年前に会っていたが、中野とは卒業以来絶えて
邂逅の機会にめぐまれていなかった。いくら想像をめぐらしても、今日の中野の風貌は、....
「松の操美人の生埋」より 著者:宇田川文海
して還る。其の翌十八年の夏酷暑と悪病を避けて有馬の温泉に浴す。端なく会人無々君と
邂逅して宿を倶にす。君は真宗の僧侶にして、学識|両ら秀で尤も説教に長ぜりと。君一....