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邏卒
「邏卒〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
邏卒の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「十二支考」より 著者:南方熊楠
月九日ロンドン発行『モーニング・ポスト』紙に出た。二十五年前喜望峯東南州の荒野で
邏卒《らそつ》二名が猴群に雑《まじ》った一男児をみつけ、伴《つ》れ帰ってルカスと....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
角を振り立てる。王はよんどころなく引っ返して、路をかえて行こうとする時、あたかも
邏卒が来合わせて捕えられた。 一方の金大牙は清河橋の北へ落ちてゆくと、牧童が二....
「聖アレキセイ寺院の惨劇」より 著者:小栗虫太郎
事警察の黎明期だ。ちょうど大蘇芳年の血みどろな木版画が絵草紙屋の店頭を飾っていた
邏卒時代なんだが、その頃ドナウヴェルト警察に、現在科学警察を率いている君よりも遙....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
は堅く閉ざされた。警察もきびしくなって、その年の四月以来江戸市中に置かれたという
邏卒が組の印しを腰につけながら屯所から回って来た。それすら十一屋の隠居のように町....
「近世快人伝」より 著者:夢野久作
干鰯の行列じみた調練が始まった。 その頃、士族の下ッ端連の成れの果は皆、警官(
邏卒、部長、警部等)に採用されていたものであったが、この羅卒(今の巡査)連中が皆....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
学を命ぜられるかと、その夜は碌々眠られなかった。 その明くる日である。夜廻りの
邏卒が府庁に出て申し立てた。 「昨夜の二更、大雨の最中に、しかじかの処を廻って居....
「江戸か東京か」より 著者:淡島寒月
、これは暫時で廃されてしまった。その番兵の前からポリスというものがあって、これが
邏卒となり、巡邏となり、巡査となったので、初めはポリスって原語で呼んでいた訳です....
「薬草取」より 著者:泉鏡花
から足が附いて、二俣の奥、戸室の麓、岩で城を築いた山寺に、兇賊籠ると知れて、まだ
邏卒といった時分、捕方が多人数、隠家を取巻いた時、表門の真只中へ、その親仁だと言....
「松と藤芸妓の替紋」より 著者:三遊亭円朝
、その長家の下に待って居ましたが、只今と違ってお巡りさんという御役が有りません、
邏卒とか云って時々廻る方が有った時分で、雨はどっと降出して来ましたから、往来はぱ....
「村芝居」より 著者:井上紅梅
けおやまが歌を唱っていた。その女形は口の辺に火のついた紙捻を二本刺し、側に一人の
邏卒が立っていた。わたしは散々考えた末、これは目蓮の母親らしいな、と想った。あと....
「学問のすすめ」より 著者:福沢諭吉
今往来に小便するは政府の禁制なり。しかるに人民みなこの禁令の貴きを知らずしてただ
邏卒《らそつ》を恐るるのみ。あるいは日暮れなど
邏卒のあらざるを窺《うかが》いて法....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
阿巌の無念を、ここでそそごうとする宿意が、もう面も向けられない。ちょうど、地獄の
邏卒が列を作っているのと変りはない。 牢人たちは、牢人たちのみで、一団にかたま....