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邦楽
「邦楽〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
邦楽の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「映画時代」より 著者:寺田寅彦
もあったがみんな小さなものでわずかの観客しか容《い》れなかったように覚えている。
邦楽座《ほうがくざ》や武蔵野館《むさしのかん》のようなものはどこにもなかったよう....
「柿の種」より 著者:寺田寅彦
ルチア(昭和五年五月、渋柿) * うすら寒い日の午後の小半日を、
邦楽座の二階の、人気の少ない客席に腰かけて、遠い異国のはなやかな歓楽の世界の幻を....
「縮図」より 著者:徳田秋声
つの道楽で、着物や持物にも大した趣味がなかった。均平も退屈|凌ぎに一緒に日比谷や
邦楽座、また大勝館あたりで封切りを見るのが、月々の行事になってしまったが、見る後....
「思想と風俗」より 著者:戸坂潤
嚮導学校である上野の音楽学校(之は多分に社会教育政策的意義を有った学校だ)にさえ
邦楽の正教授が出来上った。だがこうした教育の国粋化、つまり教育の半封建制的方向転....
「殺人鬼」より 著者:浜尾四郎
して藤枝の先見に感服してしまつた。
食事はひるちよつとすぎ終つた。ではこれから
邦楽座でも見ようというのでわれわれは再び車を東京に向けた。
邦楽座の二階に席を....
「蓄音機」より 著者:寺田寅彦
ードのように妙な癖のあるませた子供の唱歌は私にはどうも聞き苦しい。そうかと言って
邦楽の大部分や俗曲の類は子供らにあまり親しませたくなし、落語などというのは隣でや....
「二十四年前」より 著者:寺田寅彦
、このほうは切符を買ってはいる事ができた。半分は管弦楽を主とした洋楽で他の半分は
邦楽であった。そのほかにも何かの慈善音楽会というようなものもあって、そんなおりに....
「Liber Studiorum」より 著者:寺田寅彦
はちがった新しい美しさを見せているのである。少し霧のかかった日はいっそう美しい。
邦楽座わきの橋の上から数寄屋橋のほうを、晴れた日暮れ少し前の光線で見た景色もかな....
「人造物語」より 著者:海野十三
ボットが製造せられるが、こんな美しいロボットは実在しない。 あの映画が、東京の
邦楽座に出たとき、築地小劇場の連中が、「メトロポリス」の実演をやった。そのとき沢....
「アーニイ・パイルの前に立ちて」より 著者:小林一三
が、又しても徒労に帰せんとする運命を自覚したからである。 洋楽と
邦楽について 帝劇ぐらい、営利的興行の立場から経営至難の劇場は少いであろう。大....
「声と食物」より 著者:宮城道雄
、そうした点に無理なところがあるのを感じるのである。そこへ行くと、長年聞き馴れた
邦楽は言葉と節とがよくそぐうているような気がする。その最もよい例は義太夫であるが....
「昭和四年の文壇の概観」より 著者:平林初之輔
骨頭を発揮するとも言えるので、何となく新鮮味の欠如を感じさせる。余談にわたるが、
邦楽座の漫画のサウンド・ピクチャーは実によかった。これにはもちろん、進んだ映画技....
「妾宅」より 著者:永井荷風
の建築を修繕するのではなく、かえってこれを破壊もしくは俗化する山師があるように、
邦楽の改良進歩を企てて、かえって
邦楽の真生命を殺してしまう熱心家のある事を考え出....
「呼ばれし乙女」より 著者:岡本かの子
もない。やっぱり、東京の演奏会の燭光はなつかしいものだ」 千歳の胸に、かつて、
邦楽革新の新進作曲家として華やかしい期待を持たれていた慶四郎と、日蔭ものになって....
「つゆのあとさき」より 著者:永井荷風
するかどうかを確めて置こうと思っただけである。 「あの人ッて、誰だ。この間一緒に
邦楽座《ほうがくざ》へ行った人か。」 「いいえ。」と言いかけて君江は心づき、「え....