邪心[語句情報] » 邪心

「邪心〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

邪心の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
絞死罪人の脂肪から作った、死体蝋燭を立てるのです。そして、それに火を点じますと、邪心のある者は身体が竦んで心気を失ってしまうとか申すそうでございます。で、その会....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
女像が出来上がった。その仙女像は半透明であった。 まことに仙女の水浴であった。邪心の起こるべき光景ではなかった。 「坊やおいで」 と彼女は云った。 それか....
「第四次元の男」より 著者:海野十三
ついで憤慨した。 （ついでに、こいつ等にも、ぶつかってくれよう！） わたくしの邪心は、勃々としておさえがたく、ついにまたしても、新来の男女が、ぴったりとより添....
「大切な雰囲気」より 著者:小出楢重
ことが出来ると同時に大人は永久に若く輝かしいだろう。 子供とともに笑うためには邪心の必要がなく、子供と妻とともに登る山では暗さの必要がない。子供とともに味わう....
「神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
す、観音様の前には、口惜くって、もどかしくって居堪らなくなったんですもの。悪念、邪心に、肝も魂も飛上って……あら神様で、祟の鋭い、明神様に、一昨日と、昨日、今日....
「花咲ける石」より 著者:坂口安吾
のに、伊之吉と山崎孫七郎の無理無法、房吉自身の仕える剣とは余りにも相容れない邪剣邪心、腹にすえかねたから、かかる邪剣の横行を許して剣の聖地を汚してはならぬと房吉....
「貞操問答」より 著者:菊池寛
、そこまでいって、食後のマスカットの一粒を、そっととり上げた。 「だから、お互に邪心なく、天空海闊に、お世話になったり、世話をしたりしようじゃありませんか……月....
「血ぬられた懐刀」より 著者:国枝史郎
れたのである。 余りに清浄であるがために、たとえ誰かが見ていたとしても、何らの邪心さえ起こさなかったであろう。そんなにもお紅の裸体の姿は、清らかで美しいもので....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
とにからまった、名人と名人との試合であった。自然態度に品位があり、無理に勝とうの邪心がなく、闘志の中に礼譲を持った、すがすがしい理想的の試合であった。 今の時....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
をつぎこんでいる人物は天下に二人といないであろうからである。 旅先でこのように邪心の少い好人物にめぐりあうのは嬉しいものである。彼は秋田犬に対して、一見なんと....
「安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
手ばなしの感で、大らかでもあるし、マジメでもある。思うに先生は生涯順境にあって、邪心を知ること少く、いかにも無邪気な人であるようだ。ハタから見れば、親しみ深く、....
「死剣と生縄」より 著者:江見水蔭
蛟※神社、それ等の神々に詣で、身も心も二つながら清めて、霊剣一通り振り納め、全く邪心を去って来れば好い。其他の神詣では追々の事として苦しゅう無い」 秋岡陣風斎....
「夫人利生記」より 著者:泉鏡花
も小母さんでもない。不精髯の胡麻塩の親仁であった。と、ばけものは、人の慾に憑いて邪心を追って来たので、優い婦は幻影ばかり。道具屋は、稚いのを憐れがって、嘘で庇っ....
「青春の息の痕」より 著者:倉田百三
たしますから安心して下さい。今日は久しぶりに太陽の姿を仰ぎました。二、三日来の風邪心地も去って、少しはすがすがしくなりました。私は持病が二つもあって、何かにつけ....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
ャは顔を赤くして反射的に編針を持った片手をうち振っていた。気の少し強そうな、だが邪心のない素朴さが彼女の瞳に見えた。 どかりと、ペチカの方で、テエブルに何か投....