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邪悪
「邪悪〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
邪悪の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「白蟻」より 著者:小栗虫太郎
たものは、華麗な衣裳こそ身につけているが、その顔は二目《ふため》と見られぬ、醜い
邪悪なものだった。それが、いまも見るように、滝人の頸を中途で停めてしまったのであ....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
ったい何が?」
「ウイチグス呪法典はいわゆる技巧呪術で、今日の正確科学を、呪詛と
邪悪の衣で包んだものと云われているからだよ。元来ウイチグスという人は、亜剌比亜・....
「霊魂第十号の秘密」より 著者:海野十三
くるともうすっかり気力《きりょく》がなくなってね、そのうえにあの世界でいろいろな
邪悪《あく》に染《そ》まって、それを洗いおとすために、それはそれはひどい苦しみを....
「恐竜島」より 著者:海野十三
せようとした。だが博士は、お尻に根がはえたように、その位置から動かなかった。 「
邪悪《じゃあく》な慾望を持った者たちの上に、おそろしい災難が落ちかかるのは、あた....
「千早館の迷路」より 著者:海野十三
な鉛筆の走り書で認めてある短い文面……。 ――月姫のごとく気高き君の胸に、世の
邪悪を知らせたくはないが、これも運命、やむを得ない。あと一週間して、もしか僕が貴....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
反抗的態度を執りつつある、有力なる悪霊の集団がそれである。彼等は狡知猾才にとめる
邪悪霊を首領と仰ぎ、百方手を尽して、われ等の聖業を阻害せんとしつつあるので、その....
「貞操問答」より 著者:菊池寛
の窮状を知っているかのように、気持よげに笑った。 前川は、笑う夫人の眼の中に、
邪悪な喜びの影を見たように思った。何か新子について聞込んだに違いないと思うと、今....
「潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
女王ブルンヒルトなんだ。しかも、この事件のブルンヒルトは、魔女のように悪狡こく、
邪悪なスペードの女王なんだよ」 「ブルンヒルト……」 と検事はとっさに反問した....
「仇討姉妹笠」より 著者:国枝史郎
らしい。そこでわしはわしの信ずる、人間の道をお話しして……いや待てよ、一人だけ、
邪悪の人間がいるようだ。死にかわり生きかわり執念深く、人に禍いをする悪人がいる。....
「この握りめし」より 著者:岸田国士
ある。情状酌量には限度がある。この岡本の竹を割つたような性格には、なるほど一点の
邪悪らしいものは感じられないけれども、その言動には、多少慎みを欠いたところがあり....
「俳優倫理」より 著者:岸田国士
己を没却してしまうもののように見たのです。これはルソーの倫理学からいえば、一つの
邪悪である。ルソーはそういう風に一つの哲学的立場から俳優の仕事というものを非難し....
「夢殿殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
え、どうあろうと一向に構いませんわ。仮令、私が犯人にされた所で、菩薩にあるまじき
邪悪の跡に、反証を挙げてさえ頂ければ……。けれども、孔雀明王が残した吸血の犯跡が....
「多神教」より 著者:泉鏡花
神慮は貴い。非願非礼はうけ給わずとも、俗にも満願と申す、その夕に露顕した。明かに
邪悪を退け給うたのじゃ。――先刻も見れば、その森から出て参って、小児たちに何か菓....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
い!」と彼はイタリアにある文通者に書いている「伯爵は輝かしい勇気と徳性をもって、
邪悪な敵意が伯爵の比類なき勲功に向かって湧きたたせた暗雲を一掃された。それで、あ....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
が切れていない証拠は、私たち多少、物事に対して智慧を働かせます。情けを催します。
邪悪を嫌います。これこそ、かの生命の光が私たちの胸の窓にさした月影であります。 ....