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邪推
「邪推〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
邪推の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「春」より 著者:芥川竜之介
しい個所もないではなかった。けれども再応《さいおう》考えて見ると、それも皆彼女の
邪推《じゃすい》らしかった。広子は今もとりとめのない苛立《いらだ》たしさを感じな....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
眼が、余りに露骨な艶《なまめ》かしさを裏切っているように思われたのは、果して私の
邪推ばかりだったでしょうか。とにかく私はこの短い応答の間に、彼等二人の平生が稲妻....
「葱」より 著者:芥川竜之介
勿論、この収入の差に平《たいら》かなるを得ない。その不平が高《こう》じた所から、
邪推もこの頃廻すようになっている。
ある夏の午後、お松さんの持ち場の卓子《テエ....
「或る女」より 著者:有島武郎
って手術をしたらどうだと勧告した。黙って聞いていた葉子は、すぐ岡の差し入れ口だと
邪推して取った。その後ろには愛子がいるに違いない。葉子が付いていたのでは貞世の病....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
言葉はせき上る息気《いき》の間に押しひしゃげられてがらがら震えていた。
「そりゃ
邪推じゃがなお主《ぬし》」
と笠井は口早にそこに来合せた仔細《しさい》と、丁度い....
「星座」より 著者:有島武郎
長びいているのは、たんに仕事を長びかせるための渡瀬の魂胆《こんたん》ではないかと
邪推しだしたらしいのを渡瀬は感じた。いい加減に切り上げようかと渡瀬の思ったのもた....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
た。この声一つが君と私とを堅く結びつけてしまったのだった。私は結局君をいろいろに
邪推した事を悔いながらやさしく尋ねた。 「君は学校はどこです」 「東京です」 「....
「耽溺」より 著者:岩野泡鳴
け半分に出たことでもあろう、女優になって、僕に貢ぐのだと語ったのが、土地の人々の
邪推を引き起し、僕はかの女を使って土地の人々の金をしぼり取ったというように思われ....
「鞄らしくない鞄」より 著者:海野十三
両人は目を皿にして部屋中を匐《は》い廻ったがどこにもなく、そこで両人互いに相手を
邪推《じゃすい》して立廻りへと移行したが、両人が相手の顔を捻《ね》じて天井へ向け....
「沈没男」より 著者:海野十三
と書くと、余が、とうとう初一念を貫いて、ロンドン上陸後、このハリッチへ来たように
邪推するであろう。しかし、事実は、大ちがいだ。 前報を打電して、それから一時間....
「不思議なる空間断層」より 著者:海野十三
ひっかかるところであった。そんな手数のかかることがあってたまるものか。判事さんの
邪推だと思ったのだ。 ――おかしいですよ予審判事さん。どうして彼は私をうまく使....
「棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
を誤解しているのネ。きっと御自分のことを考えて、あたしの場合も恐らくそうだろうと
邪推しているんでしょ。そんな勝手な考え方はよしてよ。あたしムカムカしてきてよ」 ....
「虫喰い算大会」より 著者:海野十三
したら、それは出鱈目のまぐれ当りか、それとも初めから問題を知っていたせいだろうと
邪推する人があるかもしれない。しかしそうではなく、やはり推理の力でどんどん押して....
「死剣と生縄」より 著者:江見水蔭
人いきれに、喉の乾きを覚えた時、お鉄が呉れた湯冷しというに、何やら異臭が有った。
邪推して見れば毒薬でも服まされたか知れなかった。 それからお鉄の家に引取られて....
「青い風呂敷包」より 著者:大倉燁子
ば吉川に逢いに行ったんだろうと誤解するし、お客が来たと云えば、吉川か、という風に
邪推を廻しては怒るんです。それで今、二人の間もごたごたしていますの、吉川さんは吉....