邪智[語句情報] »
邪智
「邪智〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
邪智の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「将軍」より 著者:芥川竜之介
シア》の旗を持っているのです。」
旅団長も何か浮き浮きしていた。
「つまり奸佞
邪智《かんねいじゃち》なのじゃね。」
「そうです。煮ても焼いても食えないのです。....
「走れメロス」より 著者:太宰治
メロスは激怒した。必ず、かの
邪智暴虐の王を除かなければならぬと決意した。メロスには政治がわからぬ。メロスは、....
「雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
にしかけて来るが、その和らかい言葉がふくむ鋭い機鋒は驚くばかりで、浜川旧代官は、
邪智《じゃち》深さで随一、横山というのは、狡猾無比《こうかつむひ》、これに、広海....
「神秘昆虫館」より 著者:国枝史郎
と小一郎は、吉次の顔をつくづくと見た。「醜貌ながらも智恵ありげだ。それもどうやら
邪智らしい。こいつの言葉をそのままに、はたして受け取っていいだろうか?」ふとこの....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
りん》して慊《あきた》らないこの身に、呪詛《じゅそ》と、反抗と、嫉妬と、憎悪と、
邪智と、魔性《ましょう》のほかに、何が残っている。 人は故郷へ帰るが、魂はどこ....
「月世界競争探検」より 著者:押川春浪
ばならない。叔父さんを無事に連れ帰るのは誰でもいいが、このままにしておいては奸佞
邪智の秋山男爵だ、この上如何なる悪計を持って我らを苦しめ、かつ鳩のような月子さん....
「地上」より 著者:島田清次郎
自信が弱いか、毎月末における花高が冬子よりも下ででもあったなら、彼女の蛇のような
邪智は冬子に対して悪辣さを発揮したか知れなかったが、冬子の客はある少数の範囲に限....
「怪異黒姫おろし」より 著者:江見水蔭
久保の苗字を賜わり、大久保|石見守長安とまで出世したのじゃが、それ程の才物ゆえ、
邪智にも長けていて、私かに佐渡吹きの黄金を隠し置き、御役御免になっても老後の栄華....
「蝸牛の角」より 著者:和辻哲郎
方便としている人間は、腐敗したものの骨頂である。例えば原敬のごときに対しては奸獰
邪智の梟雄として心から憎悪を抱いていた。原敬の眼中にはただ自党の利益のみがあって....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
やかしたりするのである。 お十夜のような曲者を、こう呑んでかかる旅川周馬には、
邪智に富んだ一面があって、たえず、悪心が陰謀的に、また打算的に働く性格をもってい....